2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K06458
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉信 公美子 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 助教 (20274730)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒木 正健 熊本大学, 生命資源研究・支援センター, 准教授 (80271609)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | マウスゲノム / 繰り返し配列 / ゲノム機能 / ノックアウトマウス / KRAB-ZFP遺伝子 / 表現型解析 / 発現解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は、遺伝子トラップ法でトラップされた配列がゲノム上のどこに位置するか同定する過程で、ある特定の範囲内に配列が繰り返す領域を、異なる染色体上で4箇所発見した(CSCT2, 4, 12, 13と呼ぶ)。本研究では、CSCTの生理機能を明らかにすることを目的とした。ゲノム編集によりCSCT2(3.1Mbp)とCSCT4(2.1Mbp)のノックアウト(KO)マウスを作製し、機能解析を行なったが、どちらも成長や形態、生殖において顕著な表現型は見つからなかった。本年度は発現解析を中心に進めた。CSCT2とCSCT4に存在するKRAB-ZFP遺伝子群は、レトロトランスポゾン活性抑制に関与することが報告されたため、CSCT2およびCSCT4とレトロトランスポゾンとの関係を検証した。一部のレトロトランスポゾンの発現をRT-PCRで検出したところ、CSCT2 KO ES細胞とCSCT4 KO ES細胞において発現が上昇しており、レトロトランスポゾンの活性を認めた。CSCT2ノックアウトマウスの成体脳では、このような発現上昇は見られなかったため、発生初期にレトロトランスポゾンが活性化すると予測された。qRT-PCRで定量解析したところ、CSCT2 KO ES細胞では野生型に比べレトロトランスポゾンの発現が2~3倍程上昇していた。さらにCSCT2 KO ES細胞を使ってRNA-seqを実施した結果から、第9番染色体の非コードRNAの発現が活性化していることがわかった。このような発現変化は認められたものの、マウス個体に大きな影響は及ぼさないと考えられた。しかしながら、これらの発現活性化は、クロマチンの状態を変化させ、加齢やがん化リスクに影響を及ぼすのではないかと考えており、今後は、加齢やがん化に関連した解析を進めることを計画している。
|
Research Products
(4 results)