2020 Fiscal Year Research-status Report
催動脈硬化作用を持つ終末糖化産物の構造体の同定-アプタマーを用いた解析
Project/Area Number |
19K06461
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
松井 孝憲 久留米大学, 医学部, 准教授 (10425233)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東元 祐一郎 久留米大学, 医学部, 教授 (40352124)
外川内 亜美 久留米大学, 医学部, 助教 (60809177)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | アプタマー / 終末糖化産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はMG-H1アプタマーのクローン及びArgpyrimidineアプタマーのクローンのin vitroにおける効果を検討した。実験に先立ち、単球細胞(THP-1細胞)を用いて、MG-H1及びArgpyrimidineにより生じる細胞内のROS産生の抑制効果を確認した。THP-1細胞をphorbol-12-myristate-13-acetate (PMA)によりマクロファージに分化誘導した。MG-H1及びArgpyrimidineを種々濃度で添加し、任意の時間培養後、細胞内ROSレベルをROSプローブにより検出、定量した。MG-H1について至適条件が得られたため、MG-H1と同時にMG-H1アプタマーを同時添加し、ROSの抑制効果を検討した。前年度に得られたRAGEとMG-H1の結合阻害効果を示した5つのMG-H1アプタマーのクローンをもちいた。しかしながら、5つともMG-H1によるROS産生に対して抑制効果を示さなかった。そこで、アプタマー作成の際に得られた30クローンのうち、上記の5つに次いでRAGEとMG-H1の結合阻害効果の高かった5つを再度作成し、ROSアッセイに対する検討をおこなった。 また、各アプタマーをbiotin標識し、MG-H1及びArgpyrimidineを検出する競合ELISA法による定量を試みた。その結果、検出感度がいずれも低かったため、MG-H1及びArgpyrimidineの固相化条件、アプタマーのbiotin標識部位の変更、スペーサー配列の挿入等をおこなった。また、アプタマーを固相化し、抗体により検出するサンドイッチELISAについても検討をおこなったが、検出感度が同様に低かったため、再度別のクローンを得て検討をおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MG-H1アプタマー及びArgpyrimidineアプタマーの作成に当初の予定より時間がかかったため。また、in vitroにおけるMG-H1の作用条件は得られたが、Argpyrimidineについては定まっておらず、追加の検討が必要である。MG-H1アプタマーの阻害効果については実施できた。ELISA法によるMG-H1、Argpyrimidineの定量について、検出感度が十分に得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られたMG-H1アプタマーの5つのクローンは、MG-H1によるTHP-1細胞のROS産生に対する抑制効果を示さなかったため、新しく5つのクローンを追加で得て、検証をおこなっている。またArgpyrimidineに関してTHP-1細胞の刺激条件が定まらなかったため、平滑筋細胞を用いた検討を予定している。 アプタマーを用いたELISA法による定量は、いずれも検出感度が低かったため、再度クローンを選抜し検討をおこなう。
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Causes of Carryover |
本年度の研究内容である、アプタマーを用いたin vitroのアッセイの一部及びELISA法による定量について、予定に沿った結果が得られず、本来予定していた動物実験を実施できなかった。そこで、来年度におこなう費用として使用する。
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