2020 Fiscal Year Research-status Report
糖鎖認識受容体DCIRと糖鎖リガンドの相互作用による免疫応答制御の解明
Project/Area Number |
19K06471
|
Research Institution | Tohoku Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
海部 知則 東北医科薬科大学, 医学部, 講師 (90343037)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | C型レクチン受容体 / 遺伝子改変マウス / 樹状細胞 / 自己免疫疾患 / 疾患動物モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
自然免疫受容体であるDCIR(Dendritic Cell ImmunoReceptor)は自己免疫疾患誘導因子の一つである。受容体の機能発揮に必須である生理的リガンドの同定に成功し、DCIRを介した制御機構をDCIR-リガンド相互作用の観点から理解する基盤が確立できた。そこで免疫系の恒常性を維持するDCIR-リガンド相互作用を介した制御機構を明らかにする。研究実施計画としてI.DCIR糖鎖リガンドの特性と発現制御メカニズム、II.ノイラミニダーゼコンディショナルノックアウトマウス作製と疾患関連性の解析、III.糖鎖リガンドNA2とDCIRによる免疫系制御機序の解析、の研究項目を設定した。 I. DCIR糖鎖リガンドの特性と発現制御メカニズム:免疫系細胞をDCIR-Fcで染色しDCIRリガンドの発現状態を検出。 II.ノイラミニダーゼコンディショナルノックアウトマウス作製と疾患関連性の解析:ターゲティングベクターの作製を実施。 III.糖鎖リガンドNA2とDCIRによる免疫系制御機序の解析:細胞培養系にノイラミニダーゼを添加し、サイトカイン産生や細胞増殖をELISAやフローサイトメトリーを用いて測定。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実施計画に従って研究項目IとIIIに関して計画通りに進捗している。研究項目IIのノックアウトマウス作製に関してターゲティングベクターの作製が若干遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に従って実験を推進する。 研究項目IにおいてDCIRリガンドの発現細胞と発現組織を免疫染色にて検出する。またノイラミニダーゼの発現部位をqPCR法で確定する。研究項目IIのノックアウト作製ではターゲティングベクターの作製に注力するが、迅速化をはかるため場合によってはターゲティングベクターまたはES細胞の購入を検討する。研究項目IIIではDCIR-リガンド相互作用による抗原提示細胞の機能制御機構を解析する。
|
Causes of Carryover |
ノイラミニダーゼ処理によりDCIR-リガンド相互作用が抗原提示細胞機能を負に制御している可能性が示唆された。今年度に糖鎖リガンド添加により抗原提示細胞機能が調節されるのか検討するために、糖鎖リガンドの購入費として使用する予定である。
|