2023 Fiscal Year Annual Research Report
細胞質における機能性RNA生成機構の解明とRNAベクター技術への応用
Project/Area Number |
19K06501
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
佐野 将之 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (80415687)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | miRNA / 細胞質RNAベクター / 人工miRNA / RNAi |
Outline of Annual Research Achievements |
センダイウイルスはマイナス一本鎖RNAをゲノムに持つウイルスであり、感染した宿主細胞の細胞質においてウイルスRNAゲノムの複製およびmRNAの転写を行う。我々は、センダイウイルスを骨格とした非伝播型RNAベクターから発現させたmiRNA前駆体が成熟miRNAにprocessingされることから、細胞質でのmiRNA生成機構に焦点を当て研究を行なっている。本年度は、昨年度に取得したmiRNA processing因子をゲノム編集でノックアウトした培養細胞株を用いて種々のmiRNA前駆体の細胞質でのprocessing効果を検証した。miRNAの遺伝子発現抑制活性をmiRNAの標的配列を持つレポータープラスミドを用いたルシフェラーゼアッセイで調べたところ、miRNAの違いにより抑制活性が変化することが分かった。多くのmiRNAにおいて遺伝子発現抑制活性は減少したが、一部のmiRNAについては活性を維持するものが認められた。これは、miRNA前駆体の配列や構造の違いにより、miRNA processing因子の関与に違いが生じるためと考えられた。miRNAのprocessingは複数の因子が関与することが知られているため、複数種類のノックアウト細胞株の作製も行なった。これらの実験結果から、細胞質でのmiRNA前駆体のprocessingに関与する因子およびその認識構造ならびに配列について知見を得ることができた。
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