2020 Fiscal Year Research-status Report
Dynamics of RNA-protein complex in homologous chromosome pairing
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19K06503
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
丁 大橋 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所フロンティア創造総合研究室, 主任研究員 (50359080)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非コードRNA / 減数分裂 / 分裂酵母 / 染色体 |
Outline of Annual Research Achievements |
相同染色体の対合は親世代から承け継いだ相同染色体が互いを見つけて接着する過程で、正常な対合が相同組換えに不可欠である。相同染色体がどのようにお互いに認識して対合するのかが未だに謎で、多くの生物では対合がDNAの相同組換えがなくでも達成できることから、未知のメカニズムの存在が示唆されている。これまでの研究で、分裂酵母の相同染色体対合に減数分裂期に発現する長鎖非コードRNAローカスが寄与するが明らかになった。長鎖非コードRNAに複数のRNA転写終結因子であるSmpたんぱく質が結合し、長鎖非コードRNAを染色体に滞留させる役割をする。Smpタンパク質と長鎖非コードRNAが液液相分離したドロップレットを形成し、そのドロップレットの融合が対合を促進することが示唆された。 Smpたんぱく質がどのように長鎖非コードRNAを認識し、結合するのかを明らかにするために、機械学習の手法を導入し、ゲノムワイドChIP-seqのデータから、Seb1およびRhn1という二種類のSmpたんぱく質のRNA結合モチーフを探査した。その結果、それらのたんぱく質における共通のRNA結合モチーフを発見した。そのモチーフの有効性を確かめるために、長鎖非コードRNAであるSme2及びOmt3にあるモチーフの変異株を作成した。それらのモチーフの変異株では、対合及びSmpドットの形成が有意に低下した結果が得られた。今後、モチーフ変異株においてRNAドットの形成に及ぼす影響をさらに調べるする予定である。さらに、モチーフのクラスターをゲノムワイドに検索し、新規の対合サイトを予測し、in vivo実験で確かめる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Smpたんぱく質の共通のRNA結合モチーフを発見し、そのモチーフの有効性in vivoで確かめられた。さらに、in vitro解析のためにタンパク質の精製も完了したことから、おおむね予定通り研究を進められた。
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Strategy for Future Research Activity |
Smp転写終結因子と非コードRNAの相分離をin vitroで解析し、相分離に寄与するタンパク質構造や、RNAの配列と二次構造などを詳しく解析する。
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Causes of Carryover |
論文発表とin-vitro解析が次年度に延期したため、次年度使用額が生じた。次年度使用額(628,814円)を論文掲載料(約40万円)及びin-vitro解析用生化学試薬の購入の一部に使用する予定である。
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Research Products
(6 results)