2021 Fiscal Year Research-status Report
Dynamics of RNA-protein complex in homologous chromosome pairing
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19K06503
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
丁 大橋 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所神戸フロンティア研究センター, 主任研究員 (50359080)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 非コードRNA / 液液相分離 / 相同染色体対合 / 分裂酵母 / 減数分裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
相同染色体の対合は親世代から承け継いだ相同染色体が互いを見つけて接着する過程で、正常な対合が相同組換えに不可欠である。相同染色体がどのようにお互いに認識して対合するのかを解明するのが本研究課題の究極な目的である。これまでの研究で、染色体上に滞留するlncRNAが相同染色体の相互認識の鍵であることが示唆された。lncRNAを染色体に引き留めるには、Smpタンパク質と呼ばれる複数の転写終結因子が必要である。lncRNAとSmpタンパク質が液液相分離によってドロップレットを形成する。異種類のlncRNAを持つドロップレットが互いに融合できず、同種類のlncRNAを持つドロップレットのみ互いに融合し結果として染色体の対合を促進することから、異なるRNAよりできたSmpタンパク質のドロップレットが違う物理的な性質を持つことが示唆された。RNA配列とタンパク質の種類によって、どのようにドロップレットの性質が変わるかを解析するために、試験管内にドロップレットを再構成することを試みた。その結果、Smpタンパク質のうち、Seb1タンパク質単独でも相分離し、試験管内にドロップレットを形成できることが分かった。一方、Rhn1タンパク質は単独で相分離しないが、Seb1のドロップレット形成を促進し、しかもそのドロップレットに濃縮される。さらに、lncRNAが存在すると、Seb1ドロップレットの形成がさらに促進された。今後、lncRNAがドロップレットの物理的性質にもたらす影響を調べる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Smpタンパク質の液液相分離条件、観察方法など実験系を確立することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
各種RNAを用意し、SMPドロップレットの形成に与える影響を調べる。さらに、異なるRNAを有するドロップレットをFRAP解析し、その物理的性質を調べることによって、RNAの種類によって変わるドロップレットの特性を解明する。
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Causes of Carryover |
タンパク質の精製に時間がかかり、in-vitroアッセイがしばらく中断したため、また、コロナで学会と研究打ち合わせが全部オンラインで行われたので、旅費を使わなかったため次年度使用額が生じた。以上のことが現在すべてクリアされたため、今後、予定通りに助成金が使用される予定である。
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Research Products
(4 results)