2023 Fiscal Year Annual Research Report
がんの発症と進展に寄与するシグナル分子の核移行メカニズムの構造基盤
Project/Area Number |
19K06511
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
松浦 能行 国際医療福祉大学, 薬学部, 教授 (10402413)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 核移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
カリオフェリンベータファミリーに属するインポーティン13(以下IPO13と略称)は、核-細胞質間高分子輸送を担う運搬体タンパク質の一種であり、非小細胞肺がんにおいて過剰発現することが知られている。IPO13は、がんの進展に関わる転写因子の核移行を担い、腫瘍細胞の増殖に寄与すると考えられている。本研究では、人工知能プログラムを用いて、がんの進展に関わる転写因子とIPO13の複合体の構造モデリングを行った。その結果、複合体形成の構造基盤に関して、以下の4点を強く示唆する興味深い結果を得た:(1)この転写因子のIPO13結合ドメインは球状に折れたたまれる;(2)超らせん構造をもつIPO13は超らせんの内側表面でこの転写因子を包み込み、広範な結合インターフェースを形成してこの転写因子に結合する;(3)この転写因子は酸性アミノ酸残基に富むIPO13内側表面との静電相互作用などの広範な相互作用ネットワークによりIPO13と特異的に結合する;(4)この転写因子はIPO13との結合に関してRanGTPと競合する。
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