2021 Fiscal Year Research-status Report
マラリア原虫が持つ四重包膜オルガネラ内へのタンパク質輸送メカニズムの解明
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19K06528
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Research Institution | Hokkaido University of Science |
Principal Investigator |
齊藤 貴士 北海道科学大学, 薬学部, 准教授 (00432914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木股 洋子 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (60255429)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | タンパク質間相互作用 / 構造生物学 / マラリア原虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題ではマラリア原虫アピコプラスト内におけるタンパク質間相互作用の解明に向けた研究を進めている。マラリア感染症は早急に人類が克服すべき疾病であり、発展途上国を中心に毎年およそ3億人が感染し、年間約50万人の命を奪っている。近年、クロロキンなどの市販されている抗マラリア薬に耐性を持つマラリア原虫が蔓延して問題となっていることから、新たな作用機序での薬の開発が急務となっており、日本の貢献が期待されている。マラリア感染症を引き起こすマラリア原虫はアピコンプレックス門に属し、細胞内に取り込んだ紅色植物の葉緑体が退化したと考えられている四重包膜に囲まれた二次共生色素体:アピコプラストを持つ。アピコプラストはマラリア原虫の生存に必須であり、新たな創薬ターゲットとして注目されている。アピコプラストは独自のゲノムDNAを持っているにもかかわらず一部の遺伝子しか残していない。すなわちアピコプラストで使用されるタンパク質 (アピコプラストト蛋白質)の大部分は核ゲノムDNAにコードされている。よって、アピコプラスト蛋白質は小胞体で合成された後、本研究で研究対象とするTic22タンパク質など様々な膜透過関連タンパク質の助けをかりて四つの膜を通過しアピコプラスト内へと運ばれていく。そこで本研究では、アピコプラスト内へと輸送されるタンパク質と膜透過関連タンパク質Tic22タンパク質との相互作用の解明を目指している。 2021年度は2021年4月1日から2022年3月までカナダ・トロント・プリンセスマーガレットセンターに留学し、タンパク質間相互作用の解析手法の先端技術を学んだ。この留学に伴い1年間の延長を申請した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は2021年4月1日から2022年3月までカナダ・トロント・プリンセスマーガレットセンターに留学し、タンパク質間相互作用の解析手法の先端技術を学んだ。2022年度はこの経験を本研究課題ではマラリア原虫アピコプラスト内におけるタンパク質間相互作用の解明に取り入れ研究を進展させる。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度はカナダ・トロントのプリンセスマーガレットがんセンターに留学のため、海外における研究滞在等に伴う補助事業期間延長を申請した。この留学のなかで重点的に修得する研究手法は、本申請にも記載したバイオレイヤー干渉法(BLI法)および、NMRスペクトル解析における常磁性効果を使用したタンパク質間相互作用の解析となる。この2つの研究手法は本研究課題のマラリア原虫アピコプラスト内でのタンパク質間相互作用にも応用が可能であり、帰国後の本研究の質の向上につながると期待できる。2022年度は留学で習得した技術に基づき実験の最適化を検討し、申請時に期待した成果よりも更に上の研究成果を目指していく。この中で研究分担者から受け取ったタンパク質サンプルを用いBLI法、常磁性効果を利用したNMRスペクトル解析で使用し、詳細なタンパク質間相互作用の解析を行う。
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Causes of Carryover |
2021年4月から2022年3月までの海外留学により、研究を一時中断したため。
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