2021 Fiscal Year Annual Research Report
疾患モデル動物を活用した凝集タンパク質の形成機構とその抑制因子の機能解析
Project/Area Number |
19K06552
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
伊原 伸治 県立広島大学, 生物資源科学部, 教授 (70373272)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 疾患モデル / 凝集タンパク質 / 小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに凝集タンパク質を抑制するサプレッサースクリーニングを行い、 spa-1~3変異体の責任遺伝子を同定したので、今年度は凝集タンパク質が観察される新規変異体の相補性テストと遺伝子マッピングをおこなった。この新規変異体は以前に我々が報告した分泌タンパク質が小胞体内腔に特異的に蓄積するpigN変異体(Ihara, S. et al., J. Cell Sci., 2017)と同様の表現型である蓄積タンパク質が観察される。ヒトpigN遺伝子の変異は、厚生労働省より指定難病320と定められてお り、精神遅滞や特異な顔貌などの様々な症状を示し、幼年期に死亡する事が報告されている。そこで、今年度は、この変異体が既存のpigN変異体と異なる変異体であるかを明らかにするために、pigN変異体との相補性テストを行った。その結果、お互いの変異遺伝子は表現型を相補性を示し、pigN変異体とは異なる新規変異体であることが明らかになった。 この新規変異体で観察される凝集タンパク質がどの細胞内器官にあるのか、不明である。今年度は、ゴルジ体と小胞体のマーカーを用いて、新規変異体で観察される分泌タンパク質から形成される凝集タンパク質が小胞体の内腔にのみ存在しており、ゴルジ体に存在しないことを明らかにした。さらに、サレッサースクリーニング(凝集タンパク質を抑制する遺伝子のスクリーニング)により凝集 タンパク質を減少させる変異体 spa-1~3変異体の責任遺伝子を同定したので、その変異遺伝子をゲノム編集技術をもちいることで可視化を行った。その結果、凝集タンパク質を抑制する変異遺伝子が小胞体の膜状に局在すること、小胞体ストレスや熱ストレスに応答して、その発現がより強く誘導されることを明らかにした。
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