2022 Fiscal Year Annual Research Report
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19K06559
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
小池 誠一 富山大学, 学術研究部工学系, 特命助教 (10431686)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 細胞内小胞輸送 / SNARE / Rab / ホスホイノシチド / Vps13B / スペクトリン |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに、細胞内輸送小胞が正しい標的まで運ばれていくためにはSNAREタンパク質があれば十分であることを、人工合成輸送小胞の細胞内導入実験から見出した(Koike et al., 2019, 10, 1608)。膜輸送の特異性決定にはRabタンパク質やホスホイノシチドも重要であることが分かっている。そこで本年度は、SNAREタンパク質に加えてRabタンパク質やホスホイノシチドを様々な組み合わせで再構成したリポソームを作成し、マイクロインジェクションを用いて細胞内へ導入した。そのリポソームの細胞内輸送先を調べたところ、SNAREタンパク質、Rabタンパク質、ホスホイノシチドの3つが揃った場合、SNAREタンパク質のみを再構成したリポソームに比べて、より限られたオルガネラのみへと特異的に輸送されることが分かった。これに対し、Rabタンパク質、ホスホイノシチドのみを再構成したリポソームでは標的への輸送が観察されなかった。これらの結果から、細胞内では、小胞膜上に存在するSNAREタンパク質によって決められた大まかな輸送先を、Rabタンパク質とホスホイノシチドが調整することによって、輸送小胞を決められた標的オルガネラへと特異的に輸送していることが分かった。 昨年度に続き、本研究で明らかにした新たなテザリング因子Vps13Bの機能解析を行った。本年度はVps13BとRab6の結合に関わるVps13Bの領域の同定を試みた。本研究を通してVps13Bが、Syntaxin6, Syntaxin13, Rab14, Rab6, PtdIns(3)Pと結合することを明らかにした。更に、それら因子と結合するVps13Bの領域を同定することができた。 更に、エンドソーム膜上に存在するスペクトリンが、エンドソーム間での小胞輸送時のモータータンパク質依存的輸送に必須であることを明らかにした。
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