2021 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of a mechanism that protects lipid from oxidative stress in ciliated cells
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19K06560
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
篠原 恭介 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20527387)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 繊毛 / 微小管 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度はTppp3の細胞内局在の解析を中心に研究を実施した。内在のTppp3を認識する抗体を用いて野生型マウスとTppp3遺伝子欠損マウスの気管組織の免疫染色を実施した。結果、Tppp3は、(1) 気管繊毛細胞の表層に存在する微小管と共局在するパターンと (2)マウス気管繊毛細胞の細胞質全体に均一に分布するパターンの2つの観察結果が得られた。これはおそらくマウス気管繊毛の分化の過程における細胞の成熟度によって変化する局在の変化である可能性がある。この仮説を検証するためにTppp3と蛍光蛋白質Venusが融合した蛋白質を発現するノックインマウスを用いて実験を進めている。これまでに、ノックインマウスを用いた観察で生きたマウス気管における細胞質全体に均一に分布する局在パターンの再現性は確認した。現在、マウス気道初代培養細胞(MTEC)の樹立を進めており、この細胞を利用して気管繊毛細胞の分化の過程でTppp3の局在パターンがどのように変化していくかにアドレスするために経時観察の実施を計画している。特に微小管の関係する機能とは別の本プロジェクトで注目してきた酸化ストレス耐性に関わる機能と前者の局在パターンにどのような関係性にあるかを最終的に明らかにしたい。また、もう一つの実験としてヒト培養細胞にTppp3を発現させた場合の微小管形成えの影響と酸化ストレス耐性への影響を調べた。その結果、Tppp3を強制発現した細胞では密集した微小管構造を形成されかつ細胞の酸化ストレス耐性が上昇する事が観察された。今後、これら2つの現象は共役しているのか、あるいは切り分けられる現象なのかを検証する。
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