2021 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K06567
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
田村 茂彦 九州大学, 基幹教育院, 教授 (90236753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤木 幸夫 株式会社レオロジー機能食品研究所, 未登録, 九州大学名誉教授、顧問研究員、九州大学-レオロジー機能食品研究所 共同研究代表 (70261237)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ペルオキシソーム / PEX遺伝子 / 膜透過輸送 |
Outline of Annual Research Achievements |
ペルオキシソーム形成におけるPex13の役割およびミトコンドリアとのオルガネラ間クロストークの分子メカニズムを明らかにすることを目的として、Pex14が担う膜透過輸送への寄与ならびにPex13のSH3ドメインの機能、さらにはBAKタンパク質のペルオキシソームへの移行に伴うマトリックスタンパク質の排出メカニズム解明に焦点を合わせて研究を行なった。まず、当研究室ではこれまでにアミノグリコシド系抗生物質の一つであるG418がペルオキシソーム欠損症(PBD)の病因となる未成熟終止コドンのリードスルーを選択的に誘導することを見出している。そこで本研究の第一段階として、Pex13のSH3ドメインを欠失させるナンセンス変異を薬剤依存的に抑制し、Pex13発現のオンオフを切り替えることを可能とした実験系を構築した。このナンセンス変異を病因とするPBD患者由来の線維芽細胞(PBDH-02)に対してG418処理を施すことにより、完全長Pex13の発現、Pex14の複合体形成能、カタラーゼおよびPTS1タンパク質輸送能などが回復することを生化学的、形態学的な解析から示した。また、Pex13の機能回復に伴い、Pex5結合ドメインが存在するPex14のN末端側ドメインの膜配向性が変化することが示唆された。次に、PBDH-02におけるPex14の細胞内局在に着目したところ、ミトコンドリアに局在していたPex14がPex13機能の回復に伴ってペルオキシソームへ移行すること、そして、このPex14がオルガネラ間移行する途中の段階においてのみ、Pex14を含む密度の軽い膜小胞が存在することを明らかにした。一方、本来ミトコンドリアに存在するBAKタンパク質が直接的な相互作用によりペルオキシソームマトリックスタンパク質の排出に寄与していることを生化学的に示すことができた。
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