2021 Fiscal Year Annual Research Report
The mechanism of action of collagen-derived oligopeptides on cell differentiation and proliferation
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19K06569
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Research Institution | National Center for Geriatrics and Gerontology |
Principal Investigator |
錦見 昭彦 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究推進基盤センター, 室長 (70404019)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コラーゲン / オリゴペプチド / シグナル伝達 |
Outline of Annual Research Achievements |
コラーゲンを構成は、水酸化されたプロリン残基(Hyp)を多く含むことで、消化酵素やペプチダーゼによる分解を受けにくい。コラーゲンを摂取した際に分解されずに血中に取り込まれたHypを含むオリゴペプチドが生理活性をもっていると考えられており、その機序の解明に取り組んできた。前年度までに、コラーゲン由来のジペプチドであるプロリン-ヒドロキシプロリン(Pro-Hyp)に結合する細胞内因子として、JAKキナーゼ(JAK1, JAK2, JAK3)ならびにスフィンゴシン1リン酸受容体(S1PR)を同定した。そこで、JAKのキナーゼ活性に対するPro-Hypの影響を検討したところ、JAK1, JAK2, JAK3キナーゼドメインおよび全長のいずれにおいても、Pro-Hypの存在で活性が影響されることはなかった。したがって、Pro-HypはJAKの活性制御とは異なる形でこれらのキナーゼの作用を制御している可能性が示唆された。S1PRについては、Pro-Hypの存在により下流でのシグナルが増強することが確認されたため、スフィンゴシン1リン酸(S1P)に対する繊維芽細胞の遊走について検討した。その結果、Pro-HypのS1Pに対する遊走への影響は確認されなかった。また、マウス繊維芽細胞にPro-Hypを作用させた際の遺伝子発現の変化について解析するため、細胞よりRNAを抽出し、次世代シークエンス解析を行い、Pro-Hypに応答して発現が変化する遺伝子を同定した。
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