2021 Fiscal Year Annual Research Report
6位硫酸化コンドロイチン硫酸欠損マウスにおける肺炎球菌抵抗性の分子基盤の解明
Project/Area Number |
19K06572
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
内藤 裕子 藤田医科大学, 医療科学部, 講師 (10456775)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | コンドロイチン硫酸 / 肺炎球菌 / 免疫系 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞は、タンパク質や脂質に付加された糖鎖で覆われている。これら糖鎖の構造は多様かつ細胞種特異的であることから、病原体による宿主の選別にも利用されている。また、糖鎖の構造は同一の細胞においても普遍的ではなく、細胞の分化、活性化に伴い劇的に変化しており、細胞自身の機能制御においても重要な役割を果たしている。肺炎球菌は、肺炎や敗血症、細菌性髄膜炎の主たる原因菌である。血液脳関門の突破において糖鎖が重要な役割を果たすことが示唆されるなど、感染と特定の糖鎖構造の関連が予想されるものの、感染時に糖鎖が果たす役割には未だ不明な部分が多い。本研究は、細胞外マトリクスや細胞表面に存在する直鎖状糖鎖、コンドロイチン硫酸(CS)が肺炎球菌等の病原体の感染成立に寄与する機構の解明を目指すものである。予備的研究により、マウスにおいてCSの6位硫酸化酵素であるC6ST-1の遺伝子をノックアウトし、6位硫酸化CSを欠損させると、肺炎球菌の感染に対する感受性が著しく低下することが明らかになった。そこで本研究では、このC6ST-1欠損マウスの肺炎球菌感染抵抗性の分子メカニズムを明らかにすることを目的として、C6ST-1 欠損マウスの免疫系における表現型の解析を進めてきた。これまでの研究において、C6ST-1欠損がマウスの免疫系細胞の分化、成熟に与える影響を調べた結果、単球ーマクロファージ系の細胞に変化が生じている可能性が示されたため、本年度はその詳細な検討を行った。本研究で得られた結果から、C6ST-1の欠損が炎症誘導の異常をもたらす可能性が考えられた。
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[Journal Article] Chondroitin 6-sulphate is required for neuroplasticity and memory in ageing2021
Author(s)
Yang S, Gigout S, Molinaro A, Naito-Matsui Y, Hilton S, Foscarin S, Nieuwenhuis B, Tan CL, Verhaagen J, Pizzorusso T, Saksida LM, Bussey TM, Kitagawa H, Kwok JCF, Fawcett JW
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Journal Title
Mol Psychiatry
Volume: 26
Pages: 5658-5668
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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