2021 Fiscal Year Annual Research Report
原子間力顕微鏡と化学発光タンパク質を用いたATP超解像イメージング法の開発
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19K06580
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
市川 壮彦 金沢大学, ナノ生命科学研究所, 特任助教 (10462201)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / 超解像顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
原子間力顕微鏡(AFM)を用いたATP超解像顕微鏡作製のためにいくつかのセンサーについて検討を行った。MaLion G (S. Arai et al., Angew. Chem. Int. Ed. Engl., 2018)を入手しATP結合による蛍光輝度の立ち上がり時間を測定した所、最大値の80%に達するためには25秒程度かかることが分かった。より速い応答を示すセンサーを検討した結果、iATPSnFR (M. A. Lobas et al. Nat. Comm. 2019)に注目し、addgene (https://www.addgene.org/)からプラスミドを入手し発現ベクターへのクローニングを行った。ATPに拘らず使用可能なセンサーについても検討を行った所、カルシウムセンサーであるjGCaMP8f (Y. Zhang et al. bioRxiv 2021)や温度・pHを測定可能なダイヤモンドナノ量子センサーが使用可能であることが示唆された。また、本研究の理論を検証するために2種類の溶液の境界が直径100 nm以下の小孔で接続され、その様子が蛍光顕微鏡で確認可能なデバイスの作製を行った。デバイスは35 mmガラスボトムディッシュ内に設置されたステンレス製のインサートと集束イオンビーム装置を用いて直径100 nm以下の穴を開けた厚さ0.5 μmの窒化シリコン膜から構成されている。このデバイスを用いて穴付近でAFMと蛍光の同位置観察が可能であることを確認した。今後はバイオセンサーを探針に結合させデバイスを用いて形成したATP濃度勾配で本研究の理論を実証する。その後単離したミトコンドリア表面におけるナノスケールATP分布を測定することにより正常細胞とがん化した細胞におけるミトコンドリア表面ATPのナノスケール分布の違いを明らかにすることによってがん化におけるミトコンドリアへの影響を明らかにする。
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Research Products
(5 results)