2022 Fiscal Year Annual Research Report
Dynamics analysis of virus entry and budding by high speed AFM
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19K06583
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
臼倉 英治 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (00643727)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インフルエンザウイルス / 電子顕微鏡 / 高速走査型原子間力顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、インフルエンザウイルス(以下IAV)の細胞への侵入から出芽までの様子を高速原子間力顕微鏡(以下高速AFM)と電子顕微鏡を用いて観察することを目標としている。4年目は、これまで収集したデータの解析と論文の投稿へ向けた準備に費やした。高速AFMの画像を解析した結果、幾つかの重要な結果を得ることができた。まず、高速AFMのデータから、多くのIAVは細胞に付着してからエンドサイトーシスを利用して侵入するまでに、およそ50秒かかることが判明した。一方で、細胞表面に長くいる滞在しているウイルスも幾つか見られ、これらのウイルスはエンドサイトーシスとは別のピノサイトーシスによる細胞への侵入をしている可能性があると思われる。出芽に関しては、細胞膜表面で小さな突起から始まり、その後、丸形の形状になり細胞膜表面から離れていくプロセスが観察された。このプロセスはおよそ30秒から40秒くらいの時間で行われていることも判明した。さらに、アンルーフ法を用いたサンプル作製、免疫電子顕微鏡法を組み合わせた実験では、タンパク質RNA複合体(以下vRNP)とウイルスの裏打ち構造を形成するM1タンパク質の細胞質と細胞膜裏での局在を見た。その結果、細胞膜裏では同じような局在分布を示すこと、滑面小胞体のような構造物の破損部分にM1タンパク質が多く集積していること、などの結果を得ることができた。以上の結果と考察した内容を論文にしてまとめ現在投稿している状況である。
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