2021 Fiscal Year Research-status Report
3D structural analysis of centromere in vertebrate cells
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19K06611
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西村 浩平 名古屋大学, 理学研究科, 助教 (80582709)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | オーキシン / AID法 / セントロメア / ノックダウン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、間期の核内におけるセントロメアに特有な三次元ゲノム配置の分子基盤とその役割の解明である。間期核セントロメアの知見を乏しくしているもう一つの要因が、研究手法にある。本研究目的の達成のためには、セントロメアを構成する個々のタンパク質のノックアウト細胞の樹立が有効であるが、これらのタンパク質の多くは必須因子であるため、単純なノックアウト細胞の樹立は期待できない。申請者は、名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所で開発された合成オーキシンと変異型TIR1の高感度ペアを利用することで高感度AID法を構築した。イネの変異型TIR1であるOsTIR1F74Aと合成オーキシンの一つである5-Ad-IAAを組み合わせ、AID法を作成したところ、様々な動物の培養細胞において従来のAID法よりも1000倍もの効率で分解誘導が可能であることがわかった。以上の結果は今回作成された高感度AID法では従来のAID法と比較して1/1000の濃度で分解誘導が可能となり、動物細胞に対する化合物毒性を著しく減少させることが可能となった。この手法をニワトリのDT40細胞に適用することで、間期の核内におけるセントロメアに特有な三次元ゲノム配置の分子基盤とその役割の解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ネオセントロメアを保有するニワトリのDT40細胞核を対象とするHi-C解析を行った結果、間期の核内においてセントロメア(もしくはネオセントロメア)を境界とする染色体構造が観察された。次にセントロメアを構成する因子や核内構造の関連因子をAID法によりノックダウンして、この境界構造にどのような変化が現れるかを検証した。しかしながら、セントロメア因子の破壊株においてセントロメアおよびその周辺の環境に変化は見られなかった。この結果からAID法におけるタンパク質の除去効率が不完全であることが考えられた。そのため、下記の2点を行った。①より高効率に分解を誘導できるAID法の開発、②既存のAID法によるタンパク質分解を他の因子の分解を用いて検証。①では名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所で開発された合成オーキシンと変異型TIR1の高感度ペアを利用し、様々な動物の培養細胞で働くSuper-sensitive AID (ssAID) 法を確立し、論文として発表を行った。また、このssAID1法において、効率的に分解を誘導する化合物の探索を行い。数種類の化合物を単離することに成功した。今後、これらの化合物の特徴を解析することで、より効率的な分解を誘導する化合物の設計を考えている。②ではssAID法によるセントロメアタンパク質の分解株におけるHi-C実験を予定していたが、緊急事態宣言等による県外移動の自粛を含めた措置により、共同研究の実施が困難となってしまい、予定していたHi-C解析を行うことができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
申請者は、ニワトリDT40細胞の複数のネオセントロメア形成株を用いてHi-C解析を行った結果、間期核内においてセントロメアが作り出す境界構造が、セントロメアの構成因子に依存するのではないかと考えた。そのため、新たに開発した高感度タンパク質分解除去法であるssAID法を用いて、セントロメアの各因子を標的としたAID細胞株を樹立し、これらのセントロメア因子を分解・除去することによって、セントロメアの境界構造がどのように変化するかを解析する。また、セントロメア構成因子以外のタンパク質についても視点を広げて解析することで、核内ゲノム高次構造に関連する因子の同定を行う。例えば、コンデンシンやCTCFなどの因子も細胞のゲノム上の境界構造を形成するのに必要なタンパク質であることが知られている。また、セントロメアと相互作用するヘテロクロマチン側因子としても、HP1タンパク質やヒストンH3のメチル化酵素(Suv39H1,2など)の破壊株を作製し、ゲノムワイド解析によってセントロメアとの相互作用に関わる因子の同定を行う。さらに、構造以外にセントロメア機能においても違いが出るかを確認するため、ネオセントロメアを形成している細胞とそうでない細胞で、セントロメア形成領域における転写活性の比較を行い。ネオセントロメア形成の機能的な解析を実施したい。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの蔓延により、研究者、学生、そして、業者関係者まで大学構内への立ち入りが制限されたため、研究費の使用および、研究遂行に支障をきたした。また、海外への渡航や県をまたいだ移動なども制限され、共同研究の打ち合わせや学会等についてもそのほとんどがオンラインによる開催となってしまったため、使用額に大きな狂いが生じた。本年度も昨年度と同様にコロナウィルスによる影響が予想されるため、研究費の仕様と遂行にどのような影響が出るか依然として不明瞭ではある。しかしながら、昨年度とは異なり、徐々に良くなってくると考えられるため、研究遂行に支障が出ないよう、研究を遂行したい。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Transfected plasmid DNA is incorporated into the nucleus via nuclear envelope reformation at telophase2022
Author(s)
Tokuko Haraguchi , Takako Koujin, Tomoko Shindo, kriye Bilir, Hiroko Osakada, Kohei Nishimura, Yasuhiro Hirano, Haruhiko Asakawa, Chie Mori, Shouhei Kobayashi, Yasushi Okada, Yuji Chikashige, Tatsuo Fukagawa, Shinsuke Shibata, Yasushi Hiraoka
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Journal Title
Communication Biology
Volume: 5(1):78
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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