2021 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチン-プロテアソーム系を介したCpGアイランドの制御機構の解明
Project/Area Number |
19K06621
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
伊藤 伸介 国立研究開発法人理化学研究所, 生命医科学研究センター, 研究員 (50612115)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | SKP1A / ポリユビキチン化 / CGI |
Outline of Annual Research Achievements |
哺乳類ゲノムの転写開始点付近に多く存在するCpGアイランド (CGI)は、エピジェネティック修飾のプラットフォームとして寄与して遺伝子発現制御を担っている。しかしながら、CGIを読み取り、エピジェネティック修飾を適切に導入する機構は不明な点が多い。CGIを認識するCXXCドメインを含有するKDM2Bは、マウスES細胞においてCXXCドメインを介してほぼ全てのCGIに結合し、相互作用因子であるポリコーム転写抑制複合体PRC1.1の構成因子RING1B, BCOR, PCGF1を特定のCGI (PcG (+) CGI)にリクルートする。KDM2B-PRC1.1はH2Aub1をCGIに導入し転写抑制を行う。一方で、興味深い事に約80%のCGIは、KDM2Bが存在するにも拘らず、PRC1.1の結合しないCGI (PcG (-) CGI)として存在する。申請者の予備実験から、PRC1.1の持つユビキチンリガーゼ活性とプロテアソームによる分解メカニズムをCGIに導引するか否かによって、PRC1.1のCGIへの結合が決定されることが示唆された。本研究課題では、KDM2Bが選択的に20%のCGIにPRC1.1をリクルートするメカニズム、一方で残りの80%のCGIからPRC1.1を排除するメカニズムを解析し、CGIエピゲノム制御のメカニズムを解明することを目的に研究を行なった。 本年度においてはKDM2Bと複合体形成するSKP1A分子のもつユビキチンリガーゼについてH2Aub1とポリユビキチン化のどちらに寄与するかChIP-seqにより明らかにした。またこのポリユビキチン化活性の標的分子を同定し、その分解の重要性についてマウスES細胞の分化系により明らかにした。
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Research Products
(4 results)