2023 Fiscal Year Research-status Report
分裂酵母収縮環のin vitro収縮系を用いたタンパク質の高分解能配向解析
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19K06661
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
柏崎 隼 神戸大学, 研究基盤センター, 助教 (70570654)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 収縮環 / 分裂酵母 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞分裂は単細胞生物ではその増殖に、多細胞生物では発生、成長、個体の維持に必須の生命現象である。細胞分裂は核分裂と細胞質分裂の二つのステップからなり、動物細胞では、分裂面の細胞表層に形成されたアクチンとミオシンIIを主成分とする収縮環の収縮に伴って細胞膜がくびれ込み、細胞質分裂が起こる。収縮環が収縮するためには、筋肉の筋原線維(サルコメア)のように逆平行のアクチン繊維の束と、ミオシンIIの双極性複合体(繊維)が並んでいることが必要と考えられるが、いまだよくわかっていない。本研究は、分裂酵母の収縮環中のミオシンIIがどのように配向しているか、その配向が収縮環の成熟や収縮の進行に伴いどのように変化するかについて、超解像顕微鏡を用いたタンパク質配向解析法の確立を通して明らかにすることを目的としている。 2023年度は、1)ミオシンII分子の配向解析法の確立、2)収縮環の成熟、収縮の進行に伴うミオシンII分子の配向の変化について調べるため方法を再検討した。これまではミオシンII重鎖の頭部(アミノ末端)と尾部(カルボキシル末端)にそれぞれ異なる蛍光タンパク質を融合したものを発現する分裂酵母株を用い、蛍光標識リガンドと共有結合するタンパク質を融合したミオシンを発現する分裂酵母を用いているが、細胞の形態異常がみられており、方法を再検討している。退色しにくい蛍光タンパク質を発現させる実験系について検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
蛍光標識リガンドと共有結合するタンパク質を融合したミオシンを発現する分裂酵母株に細胞の形態異常がみられたため、方法の検討に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
蛍光標識リガンドと共有結合するタンパク質を融合したミオシンを発現する分裂酵母株の細胞質分裂への影響について確認する。光活性化局在性顕微鏡法でうまくいかない場合の方法として、試料を拡大させるExpansion microscopyも検討する。退色しにくい蛍光タンパク質を使用するなど、方法を検討する。
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Causes of Carryover |
実験材料の作製および方法の検討に時間がかかっており、研究進捗が遅れていることもあり、予定よりも旅費や消耗品費が少なくなった。次年度も消耗品費に使用する。
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