2021 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエ視細胞における極性輸送のライブイメージングによる観察
Project/Area Number |
19K06663
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
佐藤 明子 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 教授 (30529037)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ゴルジ体 / ショウジョウバエ / 視細胞 / 輸送開始 / SNARE |
Outline of Annual Research Achievements |
ショウジョウバエ視細胞でのライブイメージングは軌道にのらなかったため、ライブイメージングはHeLa細胞を用い、また、ハエ視細胞ではすべてのSNAREについて表現型解析を行った。 まずSNARE解析について述べる。SNAREのうち、nSyb, Syx1A, Snap24,25 が光受容膜へ、のSyx1A, Snap29 が側底面膜へのポストゴルジ輸送小胞の融合に必要であることを見出した。また、小胞体とゴルジ体の間で機能する5つのSNARE, Syx5, Bet1, Sec22, Sec20, Use1 について解析した結果、 Syx5, Bet1, Sec22欠損では、COPIと考えられる小さな小胞、Sec20, Use1 ではそれより少し大きいCOPIIと考えられる小胞が蓄積することを見出した。これは、酵母や哺乳類で考えられている機能と一致している。さらに、Sec20, Use1 欠損視細胞では、複数のゴルジ槽版が横に繋がりリボンを形成している事がわかった。哺乳類におけるゴルジリボンの形成機構はまだ明らかでないが、COPIによる輸送活性の減弱がリボン形成に必要である可能性が考えられた。また、 nSyb 欠損による光受容膜への輸送の阻害が光照射により増強されることを見出し、光依存的にエンドサイトーシスされるロドプシンが、ポストゴルジ輸送経路に参加してリサイクルされることを発見した。これらの知見は現在3つの論文にまとめて投稿を準備している。 HeLa細胞ににおいては、昨年度まででに光による輸送開始実験法 RudLOV を開発していた。今年度はこの手法を使うことである薬剤がゴルジ体のシス槽で積荷タンパク質の輸送を阻害することを見出した。現在、この薬剤 のターゲットの同定を試みつつ、RudLOV法を紹介する論文を準備中である。
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