2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K06667
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
森戸 大介 昭和大学, 医学部, 講師 (20514251)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ミステリン / RNF213 / もやもや病 / 脂肪滴 |
Outline of Annual Research Achievements |
もやもや病は日本を初めとする東アジア地域に多い脳血管疾患で、頭蓋内の限定された領域における動脈狭窄、脳血流低下、それを補う為の側副血行路(もやもや血管)形成、もやもや血管からの出血などを特徴とする。病因、病変形成プロセス、病態の限局性などいずれも未解明であり、根治療法は確立されていない。研究代表者は自らの手によりもやもや病責任遺伝子ミステリン(別名RNF213、ALO17)の分子クローニングを行い、ミステリンタンパク質のATPアーゼ活性、ユビキチンリガーゼ活性、これら酵素活性を基盤とした脂質代謝制御機能および患者変異によるその障害などについて、世界に先がけて解明を進めてきた。本課題ではミステリンによる脂質代謝制御およびその破綻に焦点をあて、培養細胞と個体を併用しながら、生化学解析、イメージング、プロテオーム解析、メタボローム解析等により全容の解明を目指している。これまでミステリンノックアウトマウスにおける有意な体重減少が報告されていたことを踏まえて、昨年度から今年度にかけてミステリンノックアウトマウスに高脂肪食負荷を与え、血液化学解析、組織化学解析、体重、臓器重量計測などを行うことで個体代謝におけるミステリンの位置付けについて詳しい解明を試みた。当初予定していたすべてのパラメーター計測を現在までに完了しており、従来の報告と異なる結果を含む一連の結果を得た。また並行して培養細胞を用いた解析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
個体代謝におけるミステリンの役割について検討し、当初予定していたすべてのパラメーターの計測を終えた。主要部分で予想と異なる結果を得ているが、これを踏まえて異なる角度からの検討に移行しており、必要な段階を踏みながら研究を進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
初・次年度の結果から予想される新たな仮説に基づいてミステリンの代謝制御機能について組織・個体レベルおよび分子・細胞レベルの2つの階層で解明を進める。
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