2022 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの機能が展開する脱分化の分子基盤解明と関連microRNAの同定
Project/Area Number |
19K06691
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
石丸 善康 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(生物資源産業学域), 講師 (50435525)
|
Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 再生 / N6-メチルアデノシン (m6A) / mRNA修飾 / メチル化 / コオロギ |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの生物においてアデノシンのN6-メチル化(m6A)は、RNAの二次構造の形成、成熟、核外移行、翻訳、分解などmRNA代謝の様々なステージを調節し、その結果、遺伝子発現に影響を与える一般的なRNA修飾として知られている。mRNAのm6Aメチル化修飾には、 3つの主要な構成因子 (ライターやリーダー、イレイサー) が連携して調整している。近年、プラナリアにおいてライターであるメチルトランスフェラーゼ複合体(MTC)とYTHドメイン含有タンパク質(YTHDC1)を含むリーダータンパク質が細胞種特異的な遺伝子発現と再生を制御していることが報告された。そこで、mRNAのメチル化がコオロギの脚再生に及ぼす影響を解析するため、MTCの構成因子であるMETTL3/METTL14及びYTHDC1のクローニングを行った。RNA干渉(RNAi)による各遺伝子の機能阻害を行った結果、再生芽は正常に形成されるが、附節のパターン形成に関与することを見出した。第1附節が正常に伸長せず、第2と第3附節が形成不全となることが明らかとなった。一方、m6Aのメチル化は可逆的なプロセスであり、イレイサータンパク質である脱メチル化酵素FTO (fat mass and obesity-associated protein)とALKBH5 (AlkB homolog 5)がメチル基を除去して元のアデノシンに変換する。そこで、ALKBH5のRNAiを行なった結果、正常と比較して附節が伸長する傾向が見られた。したがって、mRNAのm6Aメチル化は、細胞の増殖と分化を含むプロセスの重要な制御因子として組織再生においても重要な役割を果たす可能性が示唆された。
|
Research Products
(7 results)