2022 Fiscal Year Research-status Report
ショウジョウバエ発生過程における中枢神経系グリア細胞の脱分化を支える分子基盤
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19K06696
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Research Institution | Kyorin University |
Principal Investigator |
加藤 健太郎 杏林大学, 医学部, 講師 (30733068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟崎 健 杏林大学, 医学部, 教授 (60359669)
平井 和之 杏林大学, 医学部, 講師 (70597335)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 脱分化 / グリア細胞 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者らがこれまでに見出した中枢神経系グリア細胞の脱分化・増殖をモデルとして、分化した細胞が再び増殖できる様になる、その仕組みを明らかにすることを目的としている。前年度までにこの仕組みに関与する遺伝子をノンバイアスで探索し、新たに二つの関連遺伝子を同定している。 本年度は、新規に同定したこれらの遺伝子と、文献から関連を同定したホルモン受容体、その下流の転写因子、以前の研究から関連を明らかにしている増殖因子がどのように関わるかの解析を進めている。これらの遺伝子の発現操作がもたらす他の遺伝子の発現への影響、例えばそれぞれの関連遺伝子の発現や細胞分裂関連遺伝子の発現を網羅的に解析することを目的に、一つの脳に50個程度しか存在しない標的グリア細胞からのRNA精製とそのシークエンスを試みた。しかしながら解析方法の確立には至らず、現在は別のアプローチとして遺伝学的にこれらの遺伝子の相互作用の解析を進めている。新しく同定した二つの遺伝子、ホルモン受容体、下流の転写因子、増殖因子を遺伝子操作によってそれぞれ発現低下、過剰発現させ、これらの遺伝子操作の組み合わせによって遺伝子相互作用の解析を行っている。ここまでの解析では新規に同定した二つの遺伝子は脱分化・増殖開始を促進することが示唆されたが、ホルモン受容体の抑制による表現型を打ち消すことや、過剰な増殖因子による増殖促進をさらに促進する様なことは観察されていない。同じ分子が脱分化・増殖開始の前後で異なる働きをすることを示唆する結果も得られており、現在、それぞれの分子の働きをより明らかにするべく進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
ここまでに同定した関連遺伝子がお互いにどの様に関わり合うのかを解析する一環として、わずかな細胞数からの発現RNAの精製とそのシークエンスによる網羅的な解析を狙い、このための実験系の確立に時間を多く使った。残念ながら実験系を確立するに至らなかった。また、全脳における対象グリア細胞の細胞数の自動計数により遺伝子操作の影響を比較しているが、遺伝子操作によっては計数のための細胞標識に影響がありこれに対応するために予定より時間がかかった。
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Strategy for Future Research Activity |
主に研究計画に従って進める。昨年度中に終えるはずであった実験を本年度に推し進める。また、それぞれの関連分子の操作と細胞周期関連分子の発現との関連の解析を進めることを計画している。
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Causes of Carryover |
研究計画に遅れが生じたことから、次年度使用が生じた。本年度は計画に従って進め、必要な消耗品、研究材料、さらにより効率的に画像解析を進めるに必要な機材の購入に充てる予定である。
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