2019 Fiscal Year Research-status Report
LINC複合体によるシロイヌナズナ有性生殖過程の核融合の制御機構
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19K06704
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
西川 周一 新潟大学, 自然科学系, 教授 (10252222)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 核膜融合 / 雌性配偶体 / 重複受精 / シロイヌナズナ / 核膜タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
LINC複合体は核内膜のSUNタンパク質と核外膜のKASHタンパク質によって形成され、核の移動や形態維持などで機能するタンパク質複合体である。われわれは、シロイヌナズナ雌性配偶体形成過程の極核融合にSUNタンパク質が関与していることを明らかにした。本研究では、植物の有性生殖の核融合におけるLINC複合体の役割を明らかにすること目指している。 本年度はまず、雌性配偶体の各細胞特異的に発現するKASHタンパク質遺伝子の探索を共同研究で行い、極核融合過程で機能するKASHタンパク質の候補を得た。 われわれは、雌性配偶体特異的遺伝子発現系を構築し、雌性配偶体形成過程の遺伝子機能の解析を行ってきた。しかしこの実験系では、極核の移動から融合に至る過程全体の解析には向いていないことが判明したため、問題点を改良した実験系の作製を行った。現在、この新たな実験系を用いて、候補KASHタンパク質の野生型、およびSUNタンパク質相互作用領域欠失型変異体を、発達中の雌性配偶体内で発現誘導可能なシロイヌナズナ形質転換植物を構築している。 本年度はまた、精核融合過程におけるSUNタンパク質の役割の検討も行った。このため、SUNタンパク質に関する雄性欠損変異体の発現を誘導した雌性配偶体を持つ雌しべに、可視化マーカーで精核を可視化した花粉を受粉し、精核融合に対する、SUNタンパク質に関する雄性欠損変異体の発現の影響を検討した。本年度用いた精核可視化マーカーでは精核融合欠損の検出が困難であったため、新たな可視化マーカーを導入した形質転換植物を作製中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
LINC複合体は核内膜のSUNタンパク質と核外膜のKASHタンパク質によって形成され、核の移動や形態維持で機能している。本研究では、植物の有性生殖の核融合におけるLINC複合体の役割を明らかにすること目指している。 本年度はまず、雌性配偶体の各細胞特異的に発現するKASHタンパク質遺伝子の探索を共同研究で行い、極核融合過程で機能するKASHタンパク質の候補を得た。また、雌性配偶体特異的遺伝子発現系の改良を行い、極核の移動から融合までの解析に利用可能な実験系を作製した。現在、この新たな実験系を用いて、候補KASHタンパク質の野生型、およびSUNタンパク質相互作用領域欠失型変異体を、発達中の雌性配偶体内で発現誘導可能なシロイヌナズナ形質転換植物を構築している。 本年度はまた、精核融合過程におけるSUNタンパク質の役割の検討も行った。このため、SUNタンパク質に関する雄性欠損変異体の発現を誘導した雌性配偶体を持つ雌しべに、可視化マーカーで精核を可視化した花粉を受粉し、精核融合に対する、SUNタンパク質に関する雄性欠損変異体の発現の影響を検討した。本年度用いた精核可視化マーカーでは精核融合欠損の検出が困難であったため、新たな可視化マーカーを導入した形質転換植物を作製中である。
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Strategy for Future Research Activity |
解析に必要な株の構築も予定通り進んでおり、令和元年度に引き続き、当初の計画に従って研究を進めていく予定である。
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Causes of Carryover |
理由:論文投稿料の支払いが3月末ー4月初に予定されていたため、年度内に約20万円の予算が執行できず次年度使用額が生じた。 使用計画:4月初めに論文投稿料の支払を行い、次年度使用額となった予算はすべて執行した。翌年度分の予算は計画どおり執行する予定である。
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Research Products
(7 results)