2020 Fiscal Year Research-status Report
RPT2の細胞自律的機能の解明によるフォトトロピン信号発信機構の統一的理解
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19K06721
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
末次 憲之 京都大学, 理学研究科, 特定研究員 (60514156)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フォトトロピン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではフォトトロピンが葉緑体運動と光屈性など異なる細胞・組織・器官レベルの現象をどのように制御するか明らかにするために、光屈性・葉の展開と葉緑体運動を制御するRPT2と葉緑体運動特異的なNCH1の違いを生むドメインを探索し、それぞれの現象の信号伝達系に必須な部分を決定する。さらにRPT2とNCH1のリン酸化ステータスの違いやRPT2とNCH1の複合体の解析など下流因子の探索により、フォトトロピンシグナリングの解明を目指す。詳細を下記に示す。 (1)RPT2とNCH1の各現象を制御するドメインの決定:RPT2とNCH1のドメインスワッピングラインの予備的な解析の結果、RPT2とNCH1の違いを生むドメインを決定した。 (2)RPT2とNCH1の局在の解析:RPT2とNCH1ともに細胞膜に局在するが、NCH1は一部粒状構造を形成していた。 (3)RPT2とNCH1のリン酸化ステータスの解析:MpNCH1のフォトトロピン依存で青色光によって脱リン酸化するサイトを非リン酸化あるいは偽リン酸化状態に変えたMpNCH1 形質転換体を作成した。シロイヌナズナに関しては上記スワッピングラインを用いてリン酸化されるドメインを決定した。 (4)シロイヌナズナとゼニゴケを利用したRPT2/NCH1信号伝達因子の同定:暗黒処理あるいは青色光照射したロゼット葉からCitrine-RPT2あるいはCitrine-NCH1 の免疫沈降をおこないプロテオーム解析した。現在解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者は部局の変更をしたため、研究の進捗が遅れることが懸念されたが、新たなデータを着実に出せたので「おおむね順調に進展している」という自己評価を下した。
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Strategy for Future Research Activity |
代表者は京都大学から東京大学に異動し、新たな研究室を立ち上げなければならないため年度の前半は研究の進捗に遅れが出ることが考えられる。周りの研究室の協力や共通機器の有効利用により研究が停滞しないよう努力する所存である。
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Causes of Carryover |
東京大学総合文化研究科に異動が秋頃決まったため、次年度に迅速に研究室を立ち上げ研究を停滞させないために、当該年度の使用を抑えた。
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