2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of a peptide signal that promotes branching in Marchantia polymorpha
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19K06727
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Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
平川 有宇樹 学習院大学, 理学部, 助教 (60736669)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 分裂組織 / CLEペプチド / ゼニゴケ / 受容体 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物体の頂端に存在する分裂組織は幹細胞を維持し、植物体の成長の源となっている。ゼニゴケにおいて、MpCLE2ペプチドホルモンは頂端分裂組織内の幹細胞活性を正に制御する。本研究の目的はその作用機序を調べることであった。 1.植物体の透明化処理によって分裂組織を観察した結果、MpCLE2異所発現株では幹細胞領域の細胞数が増加することが明らかになった(Hirakawa et al. 2020)。 2.MpCLE2の作用について、オーキシンの関与を調べた。オーキシン合成阻害剤であるYucasinとL-Kynurenineは、MpCLE2ペプチドに類似した分裂組織拡大の活性を示した。しかし、MpYUC2p:GUSマーカー領域は拡大せず、MpCLE2の作用とは異なる仕組みであると示唆された。 3.MpCLE2の受容体として、既知のMpCLV1に加え、共受容体の候補としてMpCIKを見出し、機能解析をおこなった。MpCIKノックアウト株は、MpCLV1ノックアウト株と同様にMpCLE2ペプチド非感受性を示した。生化学実験により、MpCLV1とMpCIKの弱いタンパク質間相互作用を検出した(Takahashi et al. 2021)。 4.MpCLE2シグナルの標的遺伝子を探索するため、MpCLE2異所発現株の分裂組織周辺からRNAを抽出し、トランスクリプトーム解析をおこなった。野生株および受容体ノックアウト株の比較によって得られた発現変動遺伝子群から、特にMpCLE2によって発現が著しく低下した転写因子をJIN遺伝子と名付けた。JINはMpCLE2とは反対に分裂組織の拡大を抑制する活性を持っており、JINがMpCLE2経路の制御因子の1つであることが示唆された。
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Research Products
(9 results)