2022 Fiscal Year Research-status Report
AS2と核小体タンパク質による発現抑制を介した葉の分化制御機構の解析
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19K06730
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| Research Institution | Chubu University |
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Principal Investigator |
小島 晶子 中部大学, 応用生物学部, 准教授 (10340209)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 広夫 金沢大学, 薬学系, 准教授 (30454367) [Withdrawn]
松本 省吾 名古屋大学, 生命農学研究科, 教授 (90241489)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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| Keywords | 分化 / エピジェネティック / DNAメチル化 / 核小体タンパク質 / AS2 / シロイヌナズナ |
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| Outline of Annual Research Achievements |
シロイヌナズナのAS2タンパク質は葉の発生・分化の鍵となる因子である。AS2タンパク質は植物固有のAS2/LOBドメインを持ち、真正双子葉植物で保存されている。これまでの研究から、AS2タンパク質が核小体周縁部にAS2 bodyとして塊状に局在することが、葉の正常な発生に重要だと考えられる。本研究では、遺伝子発現抑制の場としての核小体周縁部領域のAS2 bodyに着目し、その分子メカニズムを明らかにすることを目的としている。今年度は、第一にas2と協調的に働く因子の変異体でのAS2 bodyの局在を詳細に解析した。調べた核小体タンパク質または核タンパク質の遺伝子いずれの変異体でも、AS2 bodyが完全に消失はしないが、AS2 bodyの局在が異常になった。従って、これらの因子は、AS2 bodyの局在に必須ではないが、正常な局在に必要であると考えられた。一方、一部の変異AS2タンパク質ではAS2 bodyが形成されないため、AS2タンパク質または未知の因子が、その局在に寄与していると考えられる。第ニに野生型、as2変異体アリル、核小体タンパク質遺伝子の変異体nuc1, rh10におけるリボソームDNAのメチル化レベルを解析した。リボソームRNA遺伝子はAS2 bodyと一部共局在するクロモセンターにも局在するが、多数のリピートが存在するため、ゲノムワイドなデータに含まれず、解析できていなかった。そこで、データベースよりリボソームRNAのリファレンス配列を作成し、昨年度のEM-seqのデータを用いて繰り返し配列単位でDNAメチル化レベルを解析した。その結果、as2変異体、核小体タンパク質遺伝子の変異体のいずれにおいてもメチル化レベルがやや低下していた。リボソームDNAのメチル化レベルの低下の影響は動物でもまだ不明であるが、がん化や細胞の老化との関連が示唆されている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍での大学校内での立ち入り制限、学生個別対応の増加に伴い、実験の実施困難な時期があり、研究の進行が遅れた部分がある。一方、これまでに経験のある解析については、順調に進めることができた。
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| Strategy for Future Research Activity |
核小体タンパク質及びそれ以外の相互作用因子がAS2 bodyの局在に与える影響について、解析を進める。AS2と相互作用し、その局在に関与する因子について、共同研究で探索を進める。また、AS2タンパク質がリボソームDNAのメチル化にも影響を与えたことから、リボソームDNAに結合する可能性について検討する予定である。
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| Causes of Carryover |
コロナ禍の学内入構制限や個別の学生対応のため、当初予定していた実験の進行が遅れた。今年度は、AS2タンパク質の局在解析を完了し、論文にまとめる予定である。また、新しく得た変異体を用いてDNAメチル化の解析を行うとともに、DNA結合実験を行う。相互作用因子についても共同研究等で探索を続ける。
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