2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K06732
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Research Institution | Konan University |
Principal Investigator |
上田 晴子 甲南大学, 理工学部, 准教授 (90402776)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 小胞体 |
Outline of Annual Research Achievements |
小胞体は生命の根幹を担う多機能なオルガネラであり,袋状の膜構造がチューブ状やシート状に変形し,複雑に組み合わさって細胞内全体に網目状に広がっている.この形態は真核生物で広く保存されていることから,小胞体の機能と密接に関連すると考えられる.しかし,この形態を維持するために小胞体の品質がどのように管理されているのか,その分子機構には不明な点が多い.そこで本研究では,小胞体形態形成を担う小胞体膜タンパク質LUNAPARK (LNP) に着目し,小胞体の品質管理のしくみに迫ることを目指している.シロイヌナズナはLNPAとLNPBをもつ.これらを同時に欠損すると,小胞体のシート状構造が減少してネットワークが粗くなり,野生型の細胞では見られない異常な凝集体が形成される.この凝集体から小胞体マーカータンパク質が検出されることから,少なくとも小胞体成分が含まれると考えられるが,凝集体のサイズが直径10マイクロメートルを超える場合もあり,小胞体以外の成分が凝集体に含まれる可能性も考えられた.そこで,さまざまなオルガネラに局在するマーカータンパク質をlnp二重変異体に導入し,凝集体への局在解析を進めている.一方,LNPsの機能を探るために,GFP-LNPを発現させた形質転換体を用いた共免疫沈降を行い,プロテオーム解析を行なった.検出されたタンパク質の中からLNP相互作用因子の候補を抽出し,現在,これらの因子との相互作用の再確認と遺伝学的相互作用の検証を進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
植物栽培室の環境不良により植物材料の調達が困難な時期があったが,環境改善を行なった結果,概ね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
植物栽培室の環境は改善されたため,研究計画通りに遂行する予定である.
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Causes of Carryover |
植物栽培室の環境悪化により,研究に必要な植物材料の調達に時間を要した.試行錯誤の結果,植物栽培室の環境が改善されたため,当初の計画にしたがって研究を遂行する.
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