2019 Fiscal Year Research-status Report
Exocytosis and Neuromodulation mechanism of GnRH3 peptide in the brain
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19K06762
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿部 秀樹 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (90396804)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ペプチド放出 / トランスジェニックメダカ / 神経修飾 |
Outline of Annual Research Achievements |
魚類性行動の動機づけ制御に関わる終神経GnRH3 ペプチド神経系をモデルとして、神経修飾ペプチドが脳内神経回路を調節するメカニズムを明らかにすることを目的として、① 開口放出センサータンパク質SynaptopHluorin (SpH)をGnRH3ニューロン特異的に発現するgnrh3:sphトランスジェニック(TG)メダカ脳の ex vivo標本を用いて、稚魚脳内GnRH3ニューロンからライブイメージングを行い、バースト発火期の脳内GnRH3ニューロン細胞体・軸索に於ける自発的な開口放出を検出・解析した。 その結果、開口放出を反映する一過性SpH蛍光強度上昇がGnRH3ニューロン細胞体・軸索の両方で見られたが,その発生頻度は細胞体・軸索共に少な(5 分間で0 ~ 5 回)かった。また、一過性SpH蛍光強度上昇には持続時間が異なる2パターンが存在することが蛍光強度変化の時間推移の解析から明らかになった。さらにGABAA受容体阻害によってGnRH3ニューロンへの興奮性シナプス入力を増大させたところ、そのうちの1イプののSpH蛍光強度上昇頻度が増加することが明らかとなった。
また、②シナプス小胞と有芯小胞を区別できないgnrh3:sph TGメダカの欠点を補うために、新たに有芯小胞のみで開口放出に伴って蛍光強度が変化するgnrh3:npy-phluorin系統の作出を試み,現在系統を増殖させ,生理実験に必要な個体数が確保され次第,SpH TGメダカで行った同様のイメージング実験を行い,蛍光強度変化の性質を比較する予定である。
さらに③ 人工リガンドに対する人工受容体(DREADDs)をGnRH3 ニューロン特異的に発現するTG メダカの作製を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
稚魚脳ex vivo標本を用いたイメージング結果から脳内GnRH3ニューロンにおける自発的な開口放出頻度が想定よりも低いことが判明した。そのため単純に光シート顕微鏡を使用して自発的開口放出現象を記録して,そのkineticsを解析使用と思っても定量的なデータを得ることが困難なことが判明した。 またGnRH3ニューロン特異的にDREADDsを発現するTGメダカ系統の作出に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
GABAA受容体阻害による興奮性シナプス入力の増大がGnRH3ニューロンからの開口放出を促進することが判明したが,より緩徐・持続的に興奮を催す薬物の潅流・光シート顕微鏡観察時に使用する寒天ゲルに溶かし込むことによって,高頻度にSpH蛍光強度上昇を発生させ,そのkineticsの定量解析を試みる。 またGnRH3ニューロン特異的にDREADDsを発現するTGメダカについては現在導入コンストラクトの再設計を行い,遺伝子導入を奨めている。
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Causes of Carryover |
GnRH3ニューロン特異的にDREADDsを発現するTGメダカの作出が送れたため,その機能解析に必要な装置・試薬を購入しなかったため。そのためこれらTGメダカのF0世代が生まれ始めたところでそのスクリーニングに使用する蛍光光源や,行動解析のための実験装置類に使用する予定である。
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Research Products
(7 results)