2021 Fiscal Year Research-status Report
新たに発見した視床下部小タンパク質による熱産生低下機構の解明
Project/Area Number |
19K06768
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岩越 栄子 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 研究員 (50311296)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分泌性小タンパク質 / 脂肪蓄積 / 褐色脂肪組織 / 視床下部 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は鳥類のニワトリや哺乳類のげっ歯類において80アミノ酸残基からなる新規分泌性小タンパク質neurosecretory protein GL(NPGL)を見出し、その生理機能解析を進めている。哺乳類を用いた先行研究からNPGLが白色脂肪組織における脂肪蓄積を促すことを見出している。さらに、褐色脂肪組織での白色化が生じることも見出しているため、褐色脂肪組織の機能低下を引き起こしている可能性がある。本研究では、褐色脂肪組織の機能低下を介した熱産生低下の可能性を検討することを目的としている。 これまでの研究遂行から、NPGLが褐色脂肪組織の脂肪合成を高めることで白色化し、そのことが原因で熱産生能の低下を導いている可能性が示唆された。昨年度は、マウスの脳内でのNPGL産生細胞の特性及び投射部位を解析することで、褐色脂肪組織への神経連絡を解析し、熱産生低下機構の神経回路網を明らかにする研究を進めた。具体的には、NPGLに対する抗体と古典的神経伝達物質のカテコールアミン、グルタミン酸、ガンマアミノ酪酸(GABA)などを検出するための合成酵素やトランスポーターなどのマーカータンパク質に対する抗体を用いて、免疫組織化学的解析を行った。本年度はさらに詳細な解析を進めた結果、NPGL産生細胞は抑制性伝達物質のGABAを産出していることが示され、その割合を解析した結果、約50%のNPGL産生細胞がGABA作動性神経細胞であることが分かった。さらに、NPGL神経線維は摂食抑制ニューロンのPOMCニューロンに投射していることを見出した。このことから、NPGL産生細胞はPOMCニューロンを介して熱産生を低下させていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度も新型コロナウイルス感染症の影響で、研究中断が余儀なくされる時期があった。そのため、当初計画していた研究の遂行が遅れてしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、遺伝子改変動物を作製し、繁殖中である。今後は本動物を用い、NPGL産生細胞を人為的に活性化した際の熱産生能に注目して解析をしていく予定でいる。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染拡大により、研究活動の制限が生じ、当初予定していた研究を進められなかった。そのため、次年度使用額が生じた。繰越分は次年度の消耗品費として使用することを計画している。
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Research Products
(6 results)