2020 Fiscal Year Research-status Report
Epigenetic analysis for emergence of mammalian circadian rhythms
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19K06770
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小池 宣也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00399685)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 概日リズム / エピジェネティック / 時計遺伝子 / クロマチンアクセシビリティ / エンハンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
地球上の多くの生物に備わる概日リズムは明暗サイクルなどの外部環境変化を正確に予測し生理活動を24時間周期に適応させている。哺乳類の概日リズムは時計遺伝子発現の転写翻訳フィードバックループで形成されているが、多能性幹細胞や受精卵では概日リズムが観察されず、細胞分化に伴って形成される。我々の研究室ではこれまでに、細胞の概日リズム獲得と細胞分化が共役関係にあること、エピジェネティック制御による遺伝子発現ネットワークの変化が概日時計形成に重要であることを明らかにしているが、その制御の全容解明には至っていない。遺伝子発現の活性化には、転写因子のDNAへの結合が必要であり、クロマチンの状態が大きく影響する。また、遺伝子発現制御領域のクロマチンアクセシビリティの変動は遺伝子発現に先立って起こるとされている。そこで、細胞分化に伴った概日リズム獲得に必要なエピゲノム制御機構を明らかにするため、ES細胞のin vitro 分化誘導培養系をもちいて、概日リズムが無いES細胞から、 分化誘導により概日時計が形成される前後のクロマチンアクセシビリティの解析を行っている。その結果、クロマチンアクセシビリティは細胞分化過程でゲノムワイドにダイナミックな変化を示し、その変化はES細胞から分化1~2週間目で大きく数千カ所以上で変化しており、概日時計が形成される3週目以降ではほとんど変化がないことがわかった。シーケンスモチーフ解析から、ステージ特異的な転写因子の活性化が示唆されており、概日リズム獲得とリンクしたエピゲノム制御の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症対策の影響もあり、今年度はクロマチンアクセシビリティのデータ解析に注力したため、一部の実験の進行が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もES細胞のin vitro 分化誘導培養系等をもちいて、細胞分化と共役した概日リズム獲得に必要なエピゲノム制御機構の解析を進めていく。
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Causes of Carryover |
今年度はシーケンスデータ解析に注力したため一部の実験を翌年行うこととした。繰り越し分は翌年度分と合わせ、ES細胞のin vitro 分化誘導培養系等を用いたエピゲノム解析に使用する予定である。
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Research Products
(1 results)