2021 Fiscal Year Research-status Report
Epigenetic analysis for emergence of mammalian circadian rhythms
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19K06770
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小池 宣也 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00399685)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 概日リズム / エピジェネティック / 時計遺伝子 / クロマチンアクセシビリティ / エンハンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
我々の研究室では広く全身の細胞に時計機構が備わっていることの重要性の理解を進めてきた。多能性幹細胞や受精卵では概日リズムが観察されず、細胞分化に伴って細胞自律的に時計が形成される。これまでに、マウスES細胞のin vitro分化誘導解析から、不完全な細胞分化では概日リズムが形成されないことや細胞分化と共役した概日リズム獲得には遺伝子発現ネットワークのエピジェネティック制御が重要であることを明らかにしている。本研究では、細胞分化に伴った概日リズム獲得に必要なエピゲノム制御機構を明らかにするため、ES細胞のin vitro分化誘導培養系をもちいて、概日リズムが無いES細胞から、 分化誘導により概日時計が形成される前後のクロマチンアクセシビリティの解析を行っている。その結果、クロマチンアクセシビリティはES細胞から分化1~2週間目で大きく変化しており、概日時計が形成される3週目以降ではほとんど変化がないことがわかった。また、ES細胞では時計タンパク質CLOCKが発現しておらず、CLOCK/BMAL1の強制発現誘導ES株では、細胞分化に伴った概日リズム形成が阻害されることから、この細胞株のクロマチンアクセシビリティとの比較によって、概日リズム獲得とリンクしたエピゲノム制御の解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症対策の影響もあり、一部の実験の進行に遅れが生じていたため。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型とCLOCK/BMAL1の強制発現誘導株のin vitro分化誘導過程におけるクロマチンアクセシビリティの比較によって、細胞分化と共役した概日リズム獲得に必要なエピゲノム制御機構の解析を進め、当初の研究目的の達成を期す。
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Causes of Carryover |
一部の実験の進行の遅れと、学会のオンライン参加により出張費用が抑えられたため。補助事業期間の延長が承認されたため、繰り越し分は、ES細胞のin vitro 分化誘導培養系等を用いたエピゲノム解析及び学会発表の旅費等に使用する予定である。
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