2021 Fiscal Year Annual Research Report
Novel machinery of maintenance of genomic integrity by multinuclease complexes
Project/Area Number |
19K06784
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
齋藤 貴宗 近畿大学, 生物理工学部, 講師 (60741494)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 減数分裂組換え / 線虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
減数分裂は、二倍体の体細胞から精子や卵子のような一倍体の生殖細胞を作るための特殊な細胞分裂である。一回のDNA複製の後、二回の染色体分配が連続しておこる。第一減数分裂で相同染色体が、第二減数分裂で姉妹染色体がそれぞれ分離する。相同組換えは、第一分裂で相同染色体を正確に分配するのに必須の過程であるが、その分子メカニズムの多くは未解明である。本研究は、線虫(C.elegans)をモデルとして体細胞分裂と減数分裂におけるDNA修復機構、特に相同組換えの分子機構を調べる事を目的としている。ヒストンH3K9のdimethylationに必要なzinc fingerタンパクであるHIM-17の変異体では、DNA二重鎖切断の量が減少し、交差形組換えの分布が染色体中央にシフトした。このことから、HIM-17はDNA二重鎖切断を腕部に導入し、腕部での交差を促進する機能、染色体中央部で交差形成を抑制する機能があることが明らかになった。また、野生型では二価染色体の分裂面に限局するオーロラカイネースホモログAIR-2がhim-17変異体では染色体全域に局在した。野生型ではAIR-2の限局は、脱リン酸化酵素GPS-1/2に依存するが、him-17-変異体ではGSP-1/2の発現が低く、染色体へのロード量も少なかった。このことから、HIM-17はGSP-1/2依存的にAIR2を分裂面に限局させることが明らかとなった。これらの結果はアメリカ科学アカデミー紀要に掲載され、染色体ワークショップで口頭発表した。HIM-17 regulates the position of recombination events and GSP-1/2 localization to establish short arm identity on bivalents in meiosis. Nadarajan S, Altendorfer E, Saito TT, Martinez-Garcia M, Colaiacovo MP.Proc Natl Acad Sci U S A. 2021 Apr 27;118(17):e2016363118
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