2019 Fiscal Year Research-status Report
円口類を用いた「第3の半規管」水平半規管獲得の進化発生学的な解明
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19K06794
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
菅原 文昭 兵庫医科大学, 医学部, 講師 (00611005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 真之輔 神戸大学, 理学研究科, 理学研究科研究員 (20847131)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 半規管 / 発生 / 進化 / ヤツメウナギ / ヌタウナギ / 円口類 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はまず、円口類の内耳発生にどのような遺伝的メカニズムが関与しているかを調べるために、ヤツメウナギ胚の内耳からmRNAを抽出し、次世代シーケンサーによる配列決定を行った。詳細な解析はこれから行う。
また、水平半規管を欠く表現型で知られるOtx1ノックアウトマウスと、野生型マウスからもmRNAを抽出し、同様にトランスクリプトーム解析を進行中である。これにより、水平半規管に必要な遺伝子群が抽出できることを期待してる。また、抽出できた遺伝子群が、水平半規管のないヤツメウナギなど円口類ではどのように機能しているかを確認していきたい。
ヌタウナギの胚については、8月に成体を捕獲し、産卵させることに成功したが、残念ながらすべて未受精卵または胚発生せず、胚を得ることはできなかった。次年度以降も胚を得られるよう工夫していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次世代シーケンサー解析のためのサンプル採取を科研費採択以前に行っていたため、スムーズに進行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
トランスクリプトーム解析で得られた候補遺伝子について、in situハイブリダイゼーションなどにより発現領域を解析していくことが必要である。そういう意味において、次年度はウェットの実験に時間を使っていきたいが、新型コロナウイルス流行による遅滞が生じる可能性が高い。
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Causes of Carryover |
いくつかの実験(in situハイブリダイゼーションなど)に、若干の遅れがあったため、次年度使用が生じた。次年度にこれら実験の消耗品を購入する予定にしている。
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