2020 Fiscal Year Research-status Report
円口類を用いた「第3の半規管」水平半規管獲得の進化発生学的な解明
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19K06794
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
菅原 文昭 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00611005)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋口 真之輔 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (20847131)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 内耳 / 半規管 / 円口類 / ヤツメウナギ / ヌタウナギ |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に行ったヤツメウナギ内耳のトランスクリプトーム解析により、ヤツメウナギ胚の内耳にどのような遺伝子が発現しているかの概要が得られた。より詳細な発生ステージでの遺伝子発現情報を得るため、今年度もヤツメウナギ胚の内耳を剖出し、各ステージのRNAを抽出することに成功した。今後はこれを用いてさらなる遺伝子発現解析を行う予定である。ヌタウナギは成体を飼育し、産卵をさせることに成功している。このなかに発生が進むものがあるのかは、今後確認する必要がある。 新型コロナウイルス感染拡大により、研究エフォートが大きな変化が生じた。このため、当該年度の本研究の実験の進捗は大きく停滞した。 このような状況ため、当該年度は主に本研究に関連する次の執筆活動に充てた。1) モデル生物としての円口類の重要性を解説した書籍。2) 内耳を含めた感覚器、頭部形態と脳の進化の関連について考察した総説。3) 聴覚系の進化と密接な関係にある小脳の、円口類における発生の解析を行った論文。このうち1),2)については投稿が終了しており、3)については現在投稿の最終段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染拡大により、サンプリングなどの出張が制限されたことと、大学現場の混乱によりまとまった実験の時間が取れなかったことが主な理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルスによる特殊な状況は今後しばらく続くことが予想されるが、現場の混乱は収まりつつあり、当該年度よりは研究に充てる時間を捻出できることが期待される。 次年度はヤツメウナギ内耳の時空間上の遺伝子発現解析に焦点を絞って進めたい。 また、研究の進捗を取り戻せない場合は、本研究期間の延長も視野に入れて進めなければならない。
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Causes of Carryover |
上記で述べた通り、新型コロナウイルス感染拡大による仕事全体に占める本研究のエフォートに大きな変化があったため、次年度使用額が生じている。当該年度に計画していた解析を次年度に進めるための消耗品購入に充てる予定である。
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