2022 Fiscal Year Annual Research Report
横断的クロスリンクプロテオミクスによるシナプスタンパク複合体の進化的起源の解明
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19K06796
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
早川 英介 沖縄科学技術大学院大学, 進化神経生物学ユニット, グループリーダー (20739809)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邉 寛 沖縄科学技術大学院大学, 進化神経生物学ユニット, 准教授 (80356261)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 進化 / 神経 / 神経伝達物質 / 質量分析 / タンパク質 |
Outline of Annual Research Achievements |
刺胞動物Nematostella v.から調整した試料の各SECフラクションに対し比較定量解析を行い、SEC時間軸での各タンパク質のピーク検出およびタンパク質同士のピーク形状の相似性を総当たりで 計算することで、共溶出するタンパク質複合体の推定を行った。 解析の結果、高等動物で知られていた多数のタンパク複合体(神経活動に必須な複合体を含む)が推定され、これらのタンパク複合体が進化上保存されていることが示唆された。 一方で、SECにより調整した試料に依存したLC-MS/MSの技術的課題として、フラクショネーションにより各タンパク質希釈されることでタンパク質検出の感度が著しく低くなるという問題は最終年度においても解決に至らなかった。そのため推定されたタンパク複合体は比較的abundantな構造タンパク質から構成されるものに限られた。この問題は今後も改善に取り組む必要がある。SECとクロスリンクLC-MS/MSによる分析では特に神経伝達物質および関連した酵素・輸送タンパクなどの複合体を検出するに至らなかった。そこで相補的なアプローチとして、神経伝達物質(神経ペプチド)と関連する機能的なタンパク複合体のコンポーネントをシングルセルトランスクリプトームデータ上での共発現の解析を実施した。神経ペプチドを発現する細胞クラスターにおいて機能的に関連した合成・プロセシング・アミド化酵素群や、神経伝達物質輸送系の機能的タンパク質群やNeurexinを含むシナプス特有の複合体を形成するタンパク質が特異的に共発現していることが明らかとなった。このアプローチを有節動物、刺胞動物、海綿動物に対して横断的に実施することで神経伝達に関与する複合体を形成する機能的タンパク質群の保存性を明らかにした。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Mass spectrometry of short peptides reveals common features of metazoan peptidergic neurons2022
Author(s)
Eisuke Hayakawa, Christine Guzman, Osamu Horiguchi, Chihiro Kawano, Akira Shiraishi, Kurato Mohri, Mei-Fang Lin, Ryotaro Nakamura, Ryo Nakamura, Erina Kawai, Shinya Komoto, Kei Jokura, Kogiku Shiba, Shuji Shigenobu, Honoo Satake, Kazuo Inaba & Hiroshi Watanabe
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Journal Title
Nature Ecology & Evolution
Volume: 6
Pages: 1438,1448
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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