2023 Fiscal Year Annual Research Report
シカがもたらす葉サイズの進化と可塑性の変化ー葉サイズ制御の分子機構の解明
Project/Area Number |
19K06805
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 直子 東北大学, 農学研究科, 特任准教授 (20771322)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阪口 翔太 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (50726809)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 適応進化 / オオバコ / 葉形態 |
Outline of Annual Research Achievements |
植物の形態は、生育地の長期的な環境に応じて進化する一方で、乾燥や傷害などの短期的な環境ストレスに随時応答して可塑的に調整される。この表現型の可塑性は、変動が大きい環境下では可塑性の幅が広がり、逆に安定した環境下ではその幅が狭まるように選択されることが知られる。 本研究では、シカの生育密度が高い地域で進化した矮化オオバコに注目し、その可塑性進化の機構解明のため下記の解析を進めてきた。 1)オオバコ核全ゲノム配列決定:全長1.4Gb、5569コンティグ、遺伝子網羅率92.6%のアセンブリを作成。 2)奈良公園で選択を受けた遺伝子座同定のための解析:奈良公園の矮化型オオバコ50個体とそれに側所的に分布する普通型オオバコ50個体をプールして別々のライブラリーを作成、矮化型と普通型の塩基配列を比較(Pool-seq解析)。 3)矮化型に特徴的な遺伝形質に関わるゲノム領域の単離:普通型と奈良公園の矮化型オオバコの人工交配より得られたF2集団 500個体を同一環境下で栽培し、葉サイズ、葉柄の倒伏、早期開花について両極端な表現型を示す20個体をそれぞれ選抜し、各形質ごとのペア間で塩基配列を比較(QTL-seq解析)。 本年度は、これまでに引き続きPool-seqおよびQTL-seq解析を行い次の結果を得た。まずPool-seq解析により、約100 kb(Contig_6472_pilon)の領域を単離し、そこにジベレリン分解やストレス応答に関わる遺伝子が含まれていることを明らかにした。またQTL-seq解析により、矮化型の葉柄倒伏に関わる可能性がある約300kbの領域(Contig_192_pilon)を単離し、そこに33 遺伝子が含まれることを明らかにした。今後、単離された領域が矮化オオバコの進化にどのように関わるかを明らかにするため、さらに詳細な解析を別課題として継続する予定である。
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