2021 Fiscal Year Research-status Report
Origin and dispersal of littoral beetles in northern Pacific rim
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19K06818
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大原 昌宏 北海道大学, 総合博物館, 教授 (50221833)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 憲生 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 教授 (00400036)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 海浜性昆虫 / 北部環太平洋 / 生物地理学 / 分類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究は、本来北米と日本にわたる環北太平洋の海岸線の甲虫類相の比較を行うものであったが、COVID-19の蔓延と規制により、研究計画の変更を余儀なくされ、令和2年度から、北米での調査は延期し、日本の海岸、北海道、仙台、高知の緯度のことなる3箇所での詳細調査を行うこととした。令和3年度においては、北海道(浜厚真)には3月から11月まで毎月1回、仙台へ3回、高知へ1回の調査を実施し、海浜性甲虫類の採集を行った。とくに北海道における調査は、精密なサンプリングを行ったことから、標本整理に時間がかかっているが、季節消長、潮間帯から海浜植物群落までの帯状のマイクロハビタットごとのサンプルが取れたことから、今後の海浜性甲虫類のコミュニティ研究の基礎となるデータが取れた。 本研究に関する北米および関係する海外の研究者との連携は、令和2年度には一定の進展があったものの、令和3年度では2年にわたる野外調査の実行不可能や海外渡航の規制により、双方とも次年度以降の研究計画が立てにくい状況にあったためと思われるが、相互交流が停滞した。 論文成果としては、「北海道における海浜性ケシガムシ属の記録と再記載」を日本甲虫学会誌 Elytra に投稿した。その他、「海浜性ハマベエンマムシ属の分布とメス交尾器を主とした再記載」の論文執筆についても、大学院生と共同で進行中であり、今年度中に投稿となる予定である。以上、2年に渡るコロナ規制があったが、近場のフィールドワークを密に行ったことにより、良いデータが蓄積された。しかし、学会発表、論文発表は低迷したため、来年度の最終年にそれらのまとめを行い、発表を促進させたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの影響により、予定されていた海外、国内調査が実施できなかったが、2年目となり国内調査に切り替え、予定通りにフィールドワークを実施できた。 1論文が投稿となり、少ない成果ながら、着実に結果を出した。 しかし、近場のフィールドによる膨大なサンプルが蓄積されたため、その整理に時間がかかり、結果発表までが遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である令和4年度は北米での野外調査を行う予定であったが、COVID-19が収束しないため、日本国内の調査に切り替える。令和3年度に高知での調査以外は、国内調査においては十分なサンプリングが行えていることから、今年度の野外調査は高知での野外調査1回とする。それ以外は、サンプルの精査と論文へまとめることに集中をすることとしたい。 本申請研究は、北米と日本にわたる環北太平洋海岸域が、ひとつの生物地理区と見て良いほど昆虫相は類似していることを、属レベル、種レベルで詳細に比較することが目的であった。今回のようにコロナによる規制、また戦争による情勢不安定が起こることで、まったく計画通りの研究が行えないこととなった。このような状況を打開するには、北米側の研究者との密な連携が求められ、令和2年度には一定の進展があったものの、双方で野外調査が不可能な状況となっていたため、令和3年度には相互交流が停滞したが、令和4年度においては、再度、相互交流を活発化させる予定である。今後の研究を共同で展開するための布石として、重要な推進方策と考えている。
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Causes of Carryover |
本来海外渡航による野外調査を予定したが、コロナ規制により過去2年間、渡航が不可能であったことから、研究計画を延長し、次年度以降に使用するように研究計画を変更したため、次年度使用額が生じた。 使用計画に関しては、依然、コロナ規制が海外渡航に関しては行われているため、海外での野外調査は断念し、国内での野外調査を行うこととし、高知県への野外調査を行うこととした。また、国内でのサンプルが膨大に蓄積されたため、その整理のための標本箱、および分子実験の消耗品などに予算を当てる予定である。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Records of the superlittoral species of the genus Cercyon (Leach) (Coleoptera, Hydrophilidae) from Hokkaido, Japan2022
Author(s)
Suzumura, A. L., Kawauchiya, R., Ohara, M., Inari, N., Kobayashi, N.
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Journal Title
Elytra, new series
Volume: 12
Pages: -
Peer Reviewed