2020 Fiscal Year Research-status Report
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19K06823
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| Research Institution | Azabu University |
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Principal Investigator |
新田 梢 麻布大学, 生命・環境科学部, 特任助教 (60589448)
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| Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 進化 / 開花時間 / トランスクリプトーム / ゲノムシーケンス / キスゲ属 / Hemerocallis / 植物ゲノム / 送粉 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
花の開花時間は生殖隔離に関わる重要な形質である。キスゲ（ワスレグサ）属のハマカンゾウとキスゲは対照的な花形質をもつ。ハマカンゾウは、早朝に花を咲かせて、その日の夕方から夜に花を閉じる昼咲きの花である。一方、キスゲは別名「ユウスゲ」ともよばれ、夕方から咲き始め、翌日の朝に閉じる夜咲きである。本研究では、送粉適応した花形質が、ハマカンゾウのような昼咲きのアゲハチョウ媒の状態からキスゲの夜咲きのスズメガ媒の状態へと進化する機構を解明するため、特に、開花時刻の違いに関与する遺伝子「花時計遺伝子」を特定することを目的に研究を進めている。
本研究において、２０１９年度からゲノムシーケンスに着手し、基礎生物学研究所の生物機能情報分析室の協力のもと、２種の葉からゲノム抽出とライブラリ作成を実施し、Chromium(10x Genomics)シーケンサーによるゲノムシーケンスを行った。２０２０年度は、得られた配列情報から、アセンブルの計算を行った。アセンブルの作業が難航し、計算に時間がかかったが、ゲノム情報を得ることができた。想定されていた以上にゲノムの構造が複雑であると見込まれるが、今後のゲノム解析も慎重に行う。
本研究でゲノム解析を達成することは、この属の進化の解明に大きな知見をもたらす。また、４Gbp以上の比較的大きなゲノムサイズの解析事例ともなり、近縁種をはじめ、植物ゲノム研究への貢献も大きいと期待される。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
これまでゲノム情報がなく、遺伝子の解析が困難であったため、ゲノムシーケンスを行うこととなり、2019年度は、実験用植物組織のサンプリングやゲノムシーケンスのライブラリ作成の実験を行っていた。2020年度は、ゲノムシーケンスを実施したが、想定されていた以上にゲノムが複雑であるようで、アセンブルの作業が難航し、時間がかかった。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後は、ハマカンゾウとキスゲの全ゲノム解析を行い、ハマカンゾウとキスゲのゲノム配列にどのような違いがあるかを比較する。花形質(開花時間・花色・花香)に関する遺伝子を推定し、特に、概日時計に関わる遺伝子の配列比較を行う予定である。
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| Causes of Carryover |
実験内容の変更、出張計画の変更によって、次年度使用額が生じた。次年度は、実験とデータ解析、研究成果を発表するために使用する。
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Research Products
(2 results)
