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2021 Fiscal Year Research-status Report

ナメクジ類における種構成変化の要因解明にむけて

Research Project

Project/Area Number 19K06852
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

宇高 寛子  京都大学, 理学研究科, 助教 (60534609)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2023-03-31
Keywords外来種 / 種間競争
Outline of Annual Research Achievements

日本で広くみられるナメクジ類の種は、100年ほどの間に少なくとも2度変化している。しかし、このような変化がなぜ起こるのか、その要因や過程はナメクジ類において注目されることがなかったため、研究は進んでいない。本研究課題では、種構成変化の要因を探ることを目的とし、現在でも北海道以外の広い地域で見られる在来種のナメクジと、1950年代に移入したと考えらえている外来種のチャコウラナメクジを対象に研究を行っている。
野外において、在来種と外来種ナメクジが生息する環境を比較したところ、自然度の高い場所では両者が同じ空間で活動していた。しかし、昼間に身をひそめる場所を定期的に調べた結果、両者が空間を共有している証拠は得られなかった。ただし、相対湿度100%の飼育条件では、両者は同種他種の区別なく互いに接している様子が観察されたため、互いを積極的に排除することはないと考えらえる。
また、ナメクジは特に性成熟していない個体では種同定が難しいため、野外採集個体の一部からDNAを抽出し、ミトコンドリアCOIの配列をデータベース上のものと比較した。その結果、現在まで解析を行った個体に関しては同一種であることが確認できた。
多数の個体を確保できたチャコウラナメクジについて、乾燥耐性を調べたところ、体サイズが大きいほど長く乾燥条件で生きられることがわかった。実験装置を改良し、更に低い湿度でも実験を行った場合、小さい個体ほど生存時間は短くなった。乾燥に強い外来種と考えらえている本種においても、特に成長初期は乾燥を避けることが生存に重要であると言える。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究課題では、外来種チャコウラナメクジと在来種ナメクジの2種を対象とし、生息場所の選好性や乾燥耐性といった生理学的な特性の比較を行うことを予定していた。チャコウラナメクジでの実験は予定通り進んだが、在来種ナメクジは、実験の遂行に必要な個体数の確保ができず、予定していた実験を行えていない。そのため、進捗状況はやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

実験に必要な個体数を確保するため、特にナメクジの飼育条件(温度・光周期・エサ・飼育容器)の再検討をおこなう。また、飼育と平行して、これまでよりも多くの野外個体を確保できるよう、採集地の検討を行う。

Causes of Carryover

新型コロナウィルス感染拡大のため、参加を予定していた学会等が中止や延期、またはオンライン開催となった。そのため旅費を支払うことがなく、計上した金額との差が生じた。また、在来種ナメクジの実験が遅延しているため、実験に必要な資材の購入が遅れているため。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] チャコウラナメクジの集合性とその機能2022

    • Author(s)
      大和田光一・宇高寛子
    • Organizer
      第66回日本応用動物昆虫学会大会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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