2019 Fiscal Year Research-status Report
口輪筋と顔面表情筋群の複合的メカニズムの解明と正常な表情獲得のための基盤の検討
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19K06877
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
益岡 弘 関西医科大学, 医学部, 助教 (00600496)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口輪筋 / 顔面表情筋 / 超音波診断 / 口唇裂 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、諸説ある口輪筋構造や、それに付随している顔面表情筋の相互作用を明らかにすることにより、表情表出の仕組みを解明し、口唇裂や顔面神経麻痺患者における変形の改善法を見出すことを目標とする。 口輪筋の動的変化を超音波画像により可視化し定量的に測定することを目的に、測定補助装置の作製を行った。補助装置は超音波診断装置のプローブを保持することを可能にし、口唇の突出運動に合わせてプローブが振り子状運動を行うように設定した。また、被検者に過剰な圧が生じないように安全装置を組み込んだ。これにより、通常では位置関係が相対的にしか評価できない超音波エコー画像から動画の中で計測を行い数値化することを可能にした。また、立体的構造を持つ口唇に密着し、かつ変形を最小限にするための緩衝材の作製を行った。これにより、口唇の安静時から突出時に至る変形に適応する超音波動画撮影の取得が可能になった。また、補助装置使用によって得られる画像に合わせ、超音波診断装置の数値設定の検討を行った。今後、更に画像の明瞭化のための調整を行っていく予定である。その他の顔面表情筋については、それぞれの筋走行を検出し、個体差を考慮した測定位置の設定基準の検討を行った。 動画収集に先立ち、口唇裂患者の画像解析により口唇突出に伴う口唇と鼻の歪みの検出を行い、明らかにした。学会にて発表を済ませており、今後論文にまとめる予定である。この歪みの結果から推測される、歪みに影響を与える顔面表情筋の同定とその計測法の検討を開始した。 また、口唇裂患者の口輪筋の形態的特徴を考慮した三次元的治療法についての学会発表を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
超音波エコー機器による明瞭度の高い画像を取得するための設定値についての検討に時間を要している。また、複雑な形態に合わせた緩衝材の作製も個体差への適合のためにバリエーションが必要となるため、まだ調整を行っている。 また、画像撮影に必要な補助装置の作製および調整・変更にも時間と手間を要し、実際の被検者の施行開始や再開が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
共同研究者の増員を行ったため画像撮影の機会が増えることになり、遅れ気味である画像取得と解析が当初の予定より進むものと考えている。
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Causes of Carryover |
装置作製に時間を要し、結果として被検者の確保の開始が遅れたため、消耗品の使用量が当初の予定ほど要さなかった。また、消耗品の中に、成型のオーダーに伴う費用が発生する予定であったが、現時点では金型の確定に至っていないため、繰越す見込みとなっている。
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Research Products
(2 results)