2020 Fiscal Year Research-status Report
小脳苔状線維で符号化される運動命令や感覚情報の解読:複数線維の同時観察による解明
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19K06883
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
真仁田 聡 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (80584135)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 到達・把持運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、運動命令や感覚情報が小脳の苔状線維においてどのように表現されているかを明らかにすることである。前年度では、小脳の苔状線維に特異的にカルシウムセンサーを発現するマウス(Thy1-G-CaMP7マウス)を用いて小脳の苔状線維が運動に関連する活動を示すかを検討した。今年度では、マウスの前肢を使った到達・把持運動システムの改良を行い、検証した。頭部固定下のマウスにアガーキューブを提示する際の提示方法を改良した。2台のカメラでより正確に100Hzのサンプリングレートで画像を取得可能になった。アガーキューブの重さ、大きさの再現性を検討し、それぞれ55 +/- 3mg (range: 45-60mg), 15.7 +/- 0.8mm2 (range: 10.2-17.8mm2)となり、再現性高くアガーキューブを提示できるようになった。到達・把持運動課題をマウスに実施させ、マウスは1週間の訓練で成功確率50%以上で課題を遂行できるようになった。マウスのこの運動動画よりマーカーを使わない3次元ポーズ推定法(deeplabcut)を用いてマウスの前肢の動きを定量可能にした。また、カイコ繭タンパクであるフィブロインを用いたアデノ随伴ウイルス塗布法により小脳皮質の広範囲にカルシウムセンサー(XCaMP-G)を発現させる方法を確立した。これにより、通常のアデノ随伴ウイルス注入による方法より効率的に実験が実施できるようになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
再現性高くアガーキューブを提示できるようになり、前肢の動きを定量できるシステムを構築した。
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Strategy for Future Research Activity |
到達・把持運動において、目標物を把持できた・できないという運動の差異に関連する小脳活動を検討する。
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