2021 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞におけるクラスII ARFの膜輸送機構の解明
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19K06900
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
定方 哲史 群馬大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (90391961)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | PHYHIPL / Synaptotagmin I / Semaphorin 4C |
Outline of Annual Research Achievements |
SNPの中には、多数の健常者においてヘテロで同定されているにも関わらず、ホモで有する健常者が同定されていないものがある。ホモで有する場合、何らかの疾患を発症するためと考えられる。以下の3つのSNPは、神経にほぼ特異的な発現を示す遺伝子の変異であり、ヘテロで有する健常者が多数同定されているにも関わらず、ホモで有する健常者は見つかっていない。 (1) Synaptotagmin Iは、小胞が分泌する際のカルシウムセンサータンパク質である。遺伝子解析において、199番目のアルギニンが終止コドンに置き換わる点変異が同定されている(この変異によりカルシウムセンサーとして重要なC2Aドメインの途中で終止コドンが入る)。この変異を挿入したマウスを作製したところ、ホモ接合体は全身欠失変異マウス以上に重篤な形質を示した。 (2) Semaphorin 4Cは、Plexin-B2と結合する一回膜貫通タンパク質であり、693番目のグルタミン酸が終止コドンに置き換わる点変異が同定されている。この変異により、PDZドメイン等を含む細胞内領域がほぼ完全に欠失する。 (3) phytanoyl-CoA 2-hydroxylase interacting protein-like (PHYHIPL)は脳に特異的な発現を示すが機能不明の遺伝子である。開始コドン直後の19番目のセリンが終止コドンに置き換わる点変異が同定されている。 我々はCRISPR/Cas9システムによりPHYHIPLのヒトで同定された変異を導入したマウスを作製し、解析を行った。その結果、このマウスは小脳プルキンエ細胞の形態の異常、プルキンエ細胞に投射する登上線維の異常、プルキンエ細胞に投射する抑制性シナプスの減少、小脳性強調運動の異常を示した。これらの結果から、この変異は何らかの小脳関連疾患の原因である可能性が示唆された。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] The Ser19Stop single nucleotide polymorphism (SNP) of human PHYHIPL affects the cerebellum in mice2021
Author(s)
Tetsushi Sadakata, Takuro Horii, Jun-na Hirota, Yoshitake Sano, Yo shinoda, Ayumu Konno, Hirokazu Hirai, Yasuki Ishizaki, Hajime Hirase, Izuho Hatada, Teiichi Furuichi, Hisako Sugimoto
Organizer
第64回日本神経化学会大会
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