2023 Fiscal Year Annual Research Report
Functional mechanism of multimodal sensory integration in the mouse cortex
Project/Area Number |
19K06913
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
吉田 崇将 帝京大学, 医学部, 助教 (50525904)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 感覚統合 / 広域カルシウムイメージング / 多波長蛍光イメージング / マウス / 大脳皮質 / 二肢強制選択課題 / 視聴覚弁別課題 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、マウスの大脳皮質全体にわたる神経活動を広域カルシウムイメージングを用いて観察しながら、機能的な感覚統合を誘導するようなオペラント行動課題を遂行中の脳活動の中から、感覚統合に特異的な機能部位を特定し、神経相関や皮質ネットワーク構造の変化を抽出することを目指している。2023年度は、前年度までに構築したYC2.60マウス用のイメージングシステムをGCaMP6マウスでも使用できるように機能を拡張した。また、前年度までに構築した頭部固定型のオペラント行動課題システム用のタスクシーケンス制御プログラムと視覚刺激提示プログラムを作成した。当初、デュアルリックポート型のリッキング検出システムを想定していたが、調整に時間がかかることが見込まれたため、シングルリックポート型に切り替えて動作検証を行った。飲水制限を受けたマウスをヘッドクランプに固定し、そのマウスがリックポートからリッキングによって飲水し、それを検出できることを確認した。その状態でマウスをタスクシステムに馴化させタスクの学習が可能であることを確認した。さらに、皮質ネットワーク解析手法の開発として、取得済みデータを用いて機能的結合性(シードピクセル相関)および因果的結合性(グレンジャー因果性)の検討を引き続き行った。統合失調症モデルマウスの大脳皮質では、一次視覚野単眼領域(V1M)において、左右大脳半球間の機能的結合性が減弱したが、それは左右V1Mにおける自発活動の対称性の破れに起因することが示唆された。さらに、その対称性の破れは左V1Mの結合性の低下から生じていることが示唆された。また、機能的結合性と因果的結合性は異なるネットワーク構造を示し、機能的結合性は統合失調症モデルにおける皮質ネットワーク構造の変化に対してより敏感であり、このことは機能的結合性による解析が有効であることを示している。
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