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2019 Fiscal Year Research-status Report

大脳発生における力の役割:神経前駆細胞の動態・運命とその分子機構の解明

Research Project

Project/Area Number 19K06920
Research InstitutionNagoya University

Principal Investigator

岡本 麻友美  名古屋大学, 医学系研究科, 学振特別研究員(RPD) (30551965)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywords神経発生 / 神経前駆細胞 / 細胞動態 / 細胞運命 / 力
Outline of Annual Research Achievements

発生過程の大脳では、神経前駆細胞から決められた時期に決められた数と種類の細胞が生み出されることで、機能的な脳組織を形成する。神経前駆細胞において、産生する細胞の数や種類がどのように制御されているのかという問いは、神経発生分野において大きなテーマの一つであるが、そのメカニズムはまだ完全に理解されていない。
本研究では、力学的視点から、神経前駆細胞の動態や運命の制御機構を理解することを目標として、(1)発生過程の大脳組織にはどのような力が存在しているのか?(2)物理的な“力”が神経前駆細胞の動態や運命をどのように制御しているのか?(3)神経前駆細胞の動態や運命を力学的に制御する分子メカニズムは何か?を明らかにすることを目的としている。
現在までに、力を与えた組織とそのコントロールから単離した神経前駆細胞における比較トランスクリプトーム解析を行い、多数の発現変動遺伝子のリストを得た。各遺伝子群の詳細な解析は現在進行中である。
また、機械受容チャネルの一つであるPiezo1に着目した機能解析から、Piezo1による力の感知が、神経前駆細胞の細胞産生パターンに影響することを見出した。Piezo1による力の感知により、どのような遺伝子発現変化を経て、神経前駆細胞の産生パターンに影響したかは、現在調査中であるが、本研究から、発生過程の大脳組織に存在する力が、Piezo1による力の感知を経て、神経前駆細胞の運命を制御している可能性が考えられた。今後、Piezo1が介する大脳発生メカニズムについてさらに詳細に解析したい。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では、力学的視点から、神経前駆細胞の動態や運命の制御機構を理解することを目標として、(1)発生過程の大脳組織にはどのような力が存在しているのか?(2)物理的な“力”が神経前駆細胞の動態や運命をどのように制御しているのか?(3)神経前駆細胞の動態や運命を力学的に制御する分子メカニズムは何か?を明らかにすることを目的としている。現在までに、(2)については、力を与えた組織とそのコントロールから単離した神経前駆細胞における比較トランスクリプトーム解析を行い、発現変動遺伝子のリストを得ることができている。また、(3)に関しては、機械受容チャネルの一つであるPiezo1に着目した機能実験から、Piezo1による力の感知が神経前駆細胞の細胞産生パターンに影響することがわかり、大脳発生過程における力の役割の解明へ向けて、概ね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

これまでの研究から、力を与えた組織とそのコントロールから単離した神経前駆細胞における比較トランスクリプトーム解析を行い、発現変動遺伝子のリストの取得、また、機械受容チャネルの一つであるPiezo1の機能解析において神経前駆細胞の細胞産生パターンが変化するという表現型を得ている。
今後は、発現変動遺伝子についての詳細な解析、および、Piezo1の機能阻害実験において、RNAシークエンスを用いたトランスクリプトーム解析を行い、Piezo1による力の感知によって、どのような因子の発現が誘導され、神経前駆細胞の運命を規定しているのか、その詳細を解析したい。また、大脳組織の力の計測についても、進めていく予定である。

Causes of Carryover

次年度使用額が生じた理由としては、出席を予定していた学会が開催中止となり、旅費の使用がなかったことと、妊娠マウスを直接購入せず、当研究室において交配を行いマウスの購入費が抑えられたことが影響している。
使用計画としては、今年度は、妊娠マウスを用いた機能解析実験が当初の予定よりも増加することが見込まれることから、物品費として、妊娠マウスの購入代および試薬、培養器具などの消耗品代と、学会参加のための旅費、その他としてRNAシークエンス受託費用を考えている。

URL: 

Published: 2021-01-27  

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