2019 Fiscal Year Research-status Report
Functional analysis of neural stem cells in the medulla oblongata
Project/Area Number |
19K06921
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮田 清司 京都工芸繊維大学, 応用生物学系, 教授 (30243124)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経幹細胞 / 延髄 / オリゴデンドロサイト / 神経 / 最後野 / 中心管 / 脳出血 |
Outline of Annual Research Achievements |
成体脳では神経幹細胞が存在しないと考えられていたが、近年海馬や側脳室下帯においてその存在が証明された。神経幹細胞は、脳部位に固有の機能に関与するだけでなく、その増殖抑制は脳疾病発症の原因であることも明らかになっている。さらに、神経幹細胞は、脳損傷時に損傷部位へ新しい神経やグリア細胞を供給する働きもある。私のラボでは、今まで存在しないとされてきた延髄において神経幹細胞が存在することを報告した。しかし、延髄における神経幹細胞の機能についてはほとんど解明されていない。本年度の研究成果として、以下の結果を得ることができた。 1)延髄にオリゴデンドロサイトを選択的に死滅させる薬物であるlysolecitinを局所注入し、新規のオリゴデンドロサイト供給を調べた。その結果、最後野と中心管の神経幹細胞の増殖には影響がなかった。しかし、内在性のオリゴデンドロサイト前駆細胞がVEGF並びにPDGF依存的に増殖し、新しいオリゴデンドロサイトを供給していることが分かった。一方、多発硬化症の動物モデルでは、延髄全体に脱髄が生じ、神経幹細胞由来のオリゴデンドロサイト供給が認められた。以上より、損傷スケールが小さい場合は近傍の内在性前駆細胞が新しいオリゴデンドロサイトを供給するが、損傷スケールが大きい場合は神経幹細胞からの供給もあることが示された。。 2)中心管と呼ばれる脳室は延髄全域に分布しており脊髄まで繋がっている。本研究では、この中心管に幅広く神経幹細胞が存在していることをNestin-Cre:ER-EGFP transgenic マウスとBrdUを用いた増殖アッセイにより証明した。さらに、コラゲナーゼを用いた脳出血モデルにおいて、中心管の神経幹細胞が増殖を活発になることを証明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
延髄の中心管に幅広く神経幹細胞が存在することを新たに発見した。さらに脳出血により、この部位の神経幹細胞増殖が促進されることも明らかにした。延髄の脱髄に伴る新たなるオリゴデンドロサイト供給については、広域のオリゴデンドロサイト死滅には神経幹細胞の増殖と分化が関わるが、狭い範囲の消失では近傍のオリゴデンドロサイト前駆細胞が供給源となることが分かった。以上、初年度で10報の原著論文を発表できたことに加え、延髄の神経幹細胞に関する総説を2報報告でき、当初の計画以上に進展したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
延髄が損傷した時の、神経幹細胞の増殖と分化についてさらに研究を推進する予定である。
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[Journal Article] Transiently proliferating perivascular microglia harbor M1 type and precede cerebrovascular changes in a chronic hypertension model.2019
Author(s)
Koizumi T, Taguchi K, Mizuta I, Toba H, Ohigashi M, Onishi O, Ikoma K, Miyata S, Nakata T, Tanaka M, Foulquier S, Steinbusch HWM, Mizuno T.
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Journal Title
Journal of Neuroinflammation
Volume: 16
Pages: 79
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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