2022 Fiscal Year Annual Research Report
コンドロイチン硫酸分解酵素投与による脊髄損傷ラットの運動機能回復メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K06927
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
船越 健悟 横浜市立大学, 医学研究科, 教授 (60291572)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / ペリニューロナルネット / コンドロイチン硫酸 / 運動ニューロン / セロトニン |
Outline of Annual Research Achievements |
胸髄完全切断(CST)ラットにChABCを投与し、下行軸索が病変部位を通過し、腰部運動ニューロンに神経支配を及ぼすかどうかを検討したところ、CST後3週間では、ChABC投与ラットにおいてセロトニン(5-HT)線維が病変部に入り込んでいるのが観察されたが、生理食塩水投与ラットでは観察されなかった。また、生理食塩水投与ラットでは、第5腰髄(L5)前角の運動ニューロンの92%、ChABC投与ラットでは38%がコンドロイチン硫酸A(CS-A)陽性構造で囲まれていた。CST後8週目では、ChABC投与ラットにおいてL5の前角に多数の5-HT線維が観察され、運動ニューロンに終末していたが、生理食塩水投与ラットでは終末は認められなかった。L5前角の運動ニューロンのうち、生理食塩水投与ラットでは54%、ChABC投与ラットでは39%がCS-A陽性構造に囲まれていた。ChABC投与ラットのBasso, Beattie, and Bresnahan(BBB)運動スコアは、CST後2週間で3.8、3週間で7.1、8週間で10.3であった。これらのことから、CST直後の病変部位へのChABC投与は、病変部位を通過する下行性5-HT軸索の再生と、病変部位尾側レベルの運動ニューロンへの投射を促進することが示唆された。ChABCの投与は、運動ニューロン周囲のCS-GAGを分解することにより、再神経支配を促進すると考えられる。また、ChABC投与ラットでは、5-HT軸索が運動ニューロンに終末する以前から下肢の運動機能が有意に改善されており、他のメカニズムも運動機能回復に寄与している可能性が示唆された。
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