2019 Fiscal Year Research-status Report
高脂肪食摂取による肥満と脳の炎症~マクロファージに着目して~
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19K06958
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
竹村 晶子 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (70647049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石西 綾美 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (10836018)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | マクロファージ / 炎症 / 高脂肪食 / 脳 |
Outline of Annual Research Achievements |
肥満は糖尿病、高脂血症に代表されるいわゆる成人病の引き金となり大きな社会問題となっている。高脂肪食の摂取は、中でもヒトに特異的で肥満と密接に関連しているのみならず、過食などの行動異常にも関連している。ヒトや動物が高脂肪食を過剰に摂取すると、脂肪組織や大腸でマクロファージが集積して炎症が生じ、肥満や糖尿病をもたらすことが知られてきた。申請者は、高脂肪食を与えた動物の摂食調節に関連する弓状核や室傍核などの脳部位に、通常食では全く認められない末梢由来のマクロファージが肥満に先行して集積することを見出した。この結果は、高脂肪食摂取により脳の摂食に関連する部位においてマクロファージが炎症を惹起していることを示唆し、この炎症による摂食調節にかかわる神経組織の損傷が、結果として肥満をもたらしているのではないかと考えた。しかし最近同様の研究結果が他のグループから報告された。そのため申請者は母マウスに高脂肪食を与えて仔マウスの脳の炎症の解析を始めた。仔マウスでは免疫系細胞のマーカーであるIba1陽性細胞の活性化が認められた。また、オレキシンニューロンが活性化していることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請当初の計画通り研究を進めていたが、同様の結果を他のグループが先行して報告された。そのため、現在は高脂肪食を与えたマウスの解析から高脂肪食を与えたマウスから生まれた仔マウスの解析に対象を変更して研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
対象を変更したが、研究計画の変更は今の所予定していない。仔マウスについて研究計画に沿ってデータを得ていく。研究計画の①、②については仔マウスではまだ未解析であるが、偶発的に研究計画③に相当するオレキシンニューロンの活性化を認めたため、オレキシンニューロンの支配の強い脳部位にターゲットを絞り高脂肪食による神経細胞の損傷を調べることを①②に先行して行うことで遅れを取り戻したい。
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