2021 Fiscal Year Annual Research Report
高脂肪食摂取による肥満と脳の炎症~マクロファージに着目して~
Project/Area Number |
19K06958
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
竹村 晶子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70647049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石西 綾美 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (10836018) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 視床下部正中隆起 / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は、高脂肪食を与えた動物の摂食調節に関連する弓状核や室傍核などの脳視床下部に、通常食では認められない末梢由来のマクロファージが肥満に先行して集積することから、炎症による摂食調節にかかわる神経組織の損傷が、結果として肥満をもたらしているのではないかと考えた。しかし同様の研究結果が他のグループから報告されたため、この研究の過程で摂餌量計測のため生後21日目から35日目まで社会的隔離を経験した成体マウス(幼少期隔離(JSI)群)で、視床下部正中隆起のタニサイト形状に異常が認められたことに着目した。幼少期の社会的ストレスが成人期の視床下部-下垂体-副腎軸の活性に影響を及ぼすことを示す証拠が蓄積されているが、この現象の根底にある生物学的メカニズムは不明である。そこで、JSI群と通常飼育のマウス(対照群)を比較することによって、その解明を目指した。JSI群マウスは急性水泳ストレスに対する視床下部-下垂体-副腎軸反応が減弱していた。両群の室傍核の活動レベルは、c-Fos免疫染色の陽性細胞密度とc-Fos、Corticotropin-releasing factor、Glucocorticoid receptor、Mineralocorticoid receptorのmRNA発現において差が認められなかった。JSI群マウスの正中隆起では、対照群マウスに比べ、正中隆起のタニサイトによる血管被覆が大きいことが判明した。さらに、強制水泳試験後のCRF含量は、JSI群マウスの正中隆起で対照群マウスよりも多かった。直接の関連は今後の実験によるが、正中隆起におけるタニサイトの形態変化は、視床下部-下垂体-副腎軸反応と関連している可能性がある。
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Research Products
(2 results)