2021 Fiscal Year Annual Research Report
Research on neuronal dematuration disorder hypothesis of depression
Project/Area Number |
19K06961
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
小林 克典 日本医科大学, 医学部, 准教授 (10322041)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 脳・神経 / うつ病 / 海馬 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はうつ病の神経脱成熟障害仮説の検証を目的とし、病態の解明と並行して、マウスのうつ様行動の新規評価系の開発を進めてきた。第三年度の実績は以下の通りで、ストレス負荷による神経機能変化と行動変化の解析を主に行った。1)個別飼育下のマウスに4週間の慢性拘束ストレスを負荷し、海馬シナプス伝達とその修飾に対する効果を検討した。通常の飼育下では有意な変化は見られなかったが、運動量を増加させた条件ではドパミンD1受容体活性化によるシナプス修飾が顕著に増強された。さらに抗うつ薬による脱成熟誘導能を検討したところ、ストレス+運動群においてのみ誘導が確認された。同様の慢性ストレスはマウスの自発運動量を低下させたが、この効果は運動と抗うつ薬の組み合わせによってD1受容体依存的に抑制された。以上より、海馬D1受容体シグナルがストレスに対するレジリエンスとして作用し、抗うつ効果を促進することが示唆された。2)本研究で開発している、RFIDタグを用いたコンパートメントケージにおける個体追跡システムを用いて、集団飼育下でのマウスの探索行動を解析した。上記と同様のストレスは探索行動を低下させたが、コントロール群との差がストレス期間中に徐々に低下した。3)個別飼育でのストレス負荷は脱成熟と反対方向の神経機能変化を誘導する傾向が見られたが、コンパートメントケージでの集団飼育下での同ストレスは脱成熟と同様の神経機能変化を誘導した。以上より、ストレスは経験もしくは環境に依存して脱成熟を誘導する又は誘導を促進することが示唆された。さらに、脱成熟が誘導されない条件では、行動の障害が顕著に生じることが示唆された。したがって、本研究計画における仮説を部分的に支持する結果が得られた
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